枝豆が海外で人気急上昇? “ヘルシーでダイエットに有効”、“パーフェクトなおつまみ”

枝豆

 海外では当初エキゾチックで食材の入手の難しさから敷居が高かった日本食。だが現在はローカライズされながらもファストフードやフィンガーフードとして世界に広がっている。

 そして今、私たちにとっては普通すぎて意外な食材が注目を浴びている。それは日本ではビールを飲む時に欠かせない「枝豆」である。

◆海外でもメインの前の前菜の枝豆
 海外の日本食レストランにおいて枝豆は「前菜」として食されることが多かった。それは日本の居酒屋でまずはビールと一緒にオーダーするのと同じような感覚だ。

 米メディカル・ニュース・トゥデイは「軽いスナックとしてパーフェクトの枝豆」は、「塩を振られ小さなさやの中におさまっていて、日本食レストランでおなじみの前菜」であり「熟す前の若い大豆」であると説明している。

 だが人気がありそれが豆であることはわかっていても、いったい何であるのか謎のようで、ニューヨークのトレンド紹介サイトのゴッサミストによると昨年度Googleでニューヨーカーが検索した質問のトップ10において「枝豆とは?」が7位にランクインしている。

◆当初は健康的な食材として注目されていた
 実は枝豆は以前からベジタリアンや健康に関心が高い人の間ではじわじわと人気が広がり始めていた。良質の植物性タンパク質を含み、コレステロールやカロリーは低めである。それに加え小麦などに含まれる糖タンパクのグルテンは含まないためにダイエットをする場合に有効な食材と知られていた。

 だが残念ながらその人気に対応する生産量が確保できていなかった。例えばカナダでは入手できるのは中国産ばかりという現状を踏まえ、自国で供給しようとする農家も出てきた。

 カナダのトロント・スター紙によると「オンタリオ州で代々農業を営んできた農家の四代目の男性は、消費者のニーズに応えようと代々の穀物農家から枝豆農家へと転身した」とのことだ。経営戦略も含めて伝統的な作物ではなくあえて枝豆を育てることを決意させるほど市場が熟してきたことがうかがえる。この読みは見事にあたり毎年のように生産量を増やし現在では「自家ブランドの枝豆は全カナダの350以上の自然食品店に並び、残りはアメリカ合衆国へ輸出する」ほどの規模となった。

◆シンプルでとまらないスナック的な要素
 だが結果的に枝豆が広がっていったのは、ヘルシーな要素だけではない。ハフィントンポストは「食べたらクセになりやめられなくなる味、さやから飛び出る豆を食べる楽しさ」と、その魅力を紹介している。世界的に豆を食べる文化圏は多く見受けられるため、異文化圏の食材というハードルが低かったのも幸いしていることもあるだろう。

 また一般的な概念では日本食は手がこんでいるというイメージの中、「ゆでて塩をふるだけ」というお手軽さも受け入れやすかったのではないだろうか。

 実際にYouTubeにアップされた調理法の動画はゆでて塩をふるだけというシンプルなものだが「ビールと最高に合うよね」「好き、好き、もう超おいしいよね枝豆」などとコメントが寄せられている。

 それにしても「食べたらやめられなくなる」というのがまさに私たちが枝豆を食べている時に思うことである。EDAMAMEは今後新たなる日本食の代名詞となるかもしれない。

Text by NewSphere 編集部