“瀬戸内の絶景と田舎の心” 6島にまたがるしまなみ海道の自転車旅行 米CNNも絶賛

 今年で開通15年を迎える「しまなみ海道」が、海外で話題になっている。地元では国際的に売り出す動きが盛んだ。米CNNは「広島のしまなみ海道:世界で最も素晴らしい自転車道の一つ」という見出しでその魅力について報じた。

【「しまなみ海道」のサイクリングコース】
 しまなみ海道は、広島県尾道から愛媛県今治を結ぶ、6つの小島にまたがる全長60kmのコースだ。本四連絡橋3ルートで唯一の、有料自転車道を完備している。瀬戸内の多島美が評判になり、2008年頃からサイクリング客が増加。昨年度は過去最高の18万6000人に達した。

 広島県尾道から愛媛県今治までの壮大な景色を見ることができ、中でも瀬戸内海国立公園は素晴らしい、とCNNは絶賛している。道路沿いには全14ヶ所のレンタサイクルがあり、途中一泊したり、最寄りのレンタサイクルで自転車を返却してバスに乗ったり、各自のペースでサイクリングを楽しむことができる。電気自転車を用意しているレンタサイクルもあるという。

【国際的に売り出す動き】
 読売新聞オンラインによると、2012年5月台湾の大手自転車メーカー「ジャイアント」社長が同海道を走り、自身のブログで絶賛したことをきっかけに、台湾国内での関心が高まった。サイクリング目的の外国人観光客は2011年にはゼロだったのが、年々増加し、今年4月までには122人になった。

 CNNによると、行政は、部屋に自転車を持ち込むことができる日本初のサイクリング客向けホテルを整備、民間事業者が「ONOMACHI U2」として運営している。ホテル内には「ジャイアント」が出店しており、自転車用品の販売、メンテナンスまでサポートしている。

 また2014年10月まで瀬戸内海国立公園の設立80周年を記念して、イベント「瀬戸内しまのわ2014」が開催される。その一環として10月にサイクリング大会を開催、参加者8000人の1割は海外から呼び込む計画だという。

 尾道市長は、20年東京五輪までに世界で通じるサイクリングコースにすることを目指す。世界88ヶ国を自転車で旅した自転車ツアーガイド・宇都宮一成氏は「多くの島々と潮流を間近に見るコースは、世界的にもまれ。日本の歴史や島の暮らしにも触れられるのが、外国人に受けているのでは」と話す。

【海外の反応】
 CNNには、しまなみ海道を絶賛するコメントが寄せられている。

・美しいとしか言いようがない。
・素晴らしいサイクリングコース。
・日中サイクリング、夜は温泉や、日本食、酒を楽しめる。

 また、自転車ではなく走ってみたいというコメントもあった。

 大手トラベルサイト『トリップアドバイザー』には、自身の経験を基に多くの声が寄せられた。

・10月に行ったが、夏場はとても暑くなると思う。プロではないが歩いたのは2回だけで済んだ。最高の経験で、また行きたいと思っている。ぜひ行くべき!
・距離が長すぎて、半分だけサイクリングしてフェリーで尾道に戻った。次回は残りの半分を制覇しに行く。素晴らしい景色で、橋を渡るのが楽しい最高のサイクリングコース。
・冬場は寒すぎると思う。1月は最高の天気だったが、風が強かった。特に高い橋を渡るのに苦労した。
・フェリーからの眺めも素晴らしかった。サイクリングが好きなら行くべき。早朝の出発がおすすめ。
・瀬戸内海を背景にしたしまなみ海道は日本の田舎の心に触れる素晴らしい旅になる。絶対に行くべき。

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Text by NewSphere 編集部