富豪が続々誕生のインド 資産180億円超が1100人、10年間で11倍
◆超富裕層数も世界トップクラス 今後も増加
クレディ・スイスの報告書によれば、2021年にインドで純資産が3000万ドル(約44億円)以上ある超富裕層に入る人の数は4980人で、世界で5番目に多い国となった。インドの上は、カナダ(5510人)、ドイツ(9720人)、中国(3万2710人)、アメリカ(14万1140人)となっている。インドの富裕層は過去10年で増加しており、2026年までに億万長者と呼ばれる人の数は、105%増加すると推定される。
インドの超富裕層のなかでも、さらにリッチな資産100億ルピー(約180億円)以上の人は10年前の100人から大幅に増加して1103人となった。そのうち126人はジェネリック医薬品の供給者として世界的に認知されている製薬業界出身者だという。次いで化学・石油化学産業、ソフトウェア・サービス業関係者が多くなっている。(ビジネス紙ヒンドゥー・ビジネスライン)
◆資産増えれば国外脱出? より良い環境を求めて
一方、金持ちや富裕層がインドから出て行っているという報道もある。最近出された報告書では、2020年だけで5000人の富裕層が国外に出たとされており、別の報告書では、2022年には8000人の富裕層が国外移住する可能性が高いと指摘されている。行き先は、新興市場の富裕層に人気の高い、アラブ首長国連邦、オーストラリア、シンガポールだと見られている。資産管理会社トゥルー・ビーコンのニクヒル・カマート氏は、正確に理由を特定するのは困難としながらも、税制、よりよいインフラ、治安などがインドの富裕層が国外移住する理由である可能性が高いとしている。(ニュー・インディアン・エクスプレス紙)
もっとも、IT産業、バイオテクノロジー、アウトソーシング・セクターなどが急速に成長を遂げているバンガロールなどには、世界中から投資家が集まっている。外国人投資家はインド政府が売り込む今後の成長ストーリーをインド人投資家よりも楽観視しているとカマート氏は述べ、投資先としてのインドの魅力に変わりはないとしている(同)。
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