リゾットの米も… 70年で最悪の干ばつ、イタリアの稲作に大打撃

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 イタリア政府は7月初め、過去70年で最悪の干ばつとなった北部の5州に非常事態宣言を発令した。北部を横断する国内最長の河川、ポー川の流域では米作りが盛んだが、川の水位は歴史的な低さとなっており、流域に広がる米農家に壊滅的な影響を及ぼしている。

◆田んぼに水がない 米どころ襲った干ばつ
 イタリアでは毎年150万トンの米が生産されており、200種類以上の品種が育てられている。アルボリオなどの有名ブランド米はリゾット料理などに欠かせないものとなっており、人気も高い。ロンバルディア州パヴィからピエモンテ州のベルチェリ、ノヴァラまで続く三角地帯は欧州有数の米の産地だが、地域の農家によれば、水田は乾燥して亀裂が入り、稲穂は弱々しく生育不良だという。水田の脇を流れる用水路も干上がっている。(AFP

 ロンバルディア州は最も被害の大きい地域で、当局は7月末までに農業用水が枯渇すると発表した。さらにポー川の水位が大きく低下したため、海水が内陸に入り込み作物を枯らしている。昨冬は雪が降らず、場所によっては120日間降水がないところもあり、通常より1ヶ月半早く真夏を迎えた形だ。(ユーロニュース

Text by 山川 真智子