ソ連時代の航路も復活? ロシア領空飛行禁止、乱れる空の旅

テッド・スティーブンス・アンカレッジ国際空港|Andrew F. Kazmierski / Shutterstock.com

 ロシアがウクライナに侵攻したことで、EUはロシアの全航空機に対して領空を閉鎖した。対抗手段としてロシアは36ヶ国の航空会社を対象にロシアの領空飛行を禁止すると発表した。現在欧州と東アジアを結ぶ路線のほとんどがロシア上空を通過しており、航空会社は新しい航路開拓を余儀なくされそうだ。

◆航空会社に衝撃 経営にも影響
 すでに大きな影響を受けているのがフィンランドのフィンエアーで、3月6日までの日本、韓国、中国へのフライトをキャンセルした。近年アジアへのアクセスの良さを戦略の要にしていたが、ロシア領空を迂回すればアジアへの飛行時間が大幅に長くなり、経済的に持続不可能かつ競争力もなくなると同社のCEOは述べている。状況が長期化すれば、財務上の悪影響も増大すると見られる。

 一方、ブリティッシュ・エアウェイズなどのイギリスの航空会社はもともとコロナの入国規制で旅客が減少していたことから、東アジア行きのフライトはほぼ稼働しておらず、被害は少ないとされている(英アイ紙)。飛行禁止の対象とされていない日本航空、全日本空輸は、引き続きロシア領空を利用するが、欧州の航空会社がキャンセルしたロシアや欧州行きのフライトの増便は予定していないという(ロイター)。

Text by 山川 真智子