中国、35年に成長率1%に? 危惧される高齢化の影響

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 中国で少子高齢化が急速に進んでいる。人口増加がゼロ、またはマイナスになる日は徐々に近づいており、労働人口も減っていくことから、経済成長の鈍化が危惧されている。成長を続けるにはもはや人口ボーナスには頼れず、今後のカギは生産性の向上にあると指摘されている。

◆超高齢社会も目前 経済成長1%も?
 65歳以上の人口が全人口の7%を超えると「高齢化社会」、14%を超えると「高齢社会」、21%を超えると「超高齢社会」と呼ばれる。中国最大の経済情報メディア、第一財経は、すでに中国の149の都市が「高齢社会」に突入したと分析している。沿岸部では若い人口の流入があるが、長江流域、南西部の重慶や成都、都市工業地帯の北東部で高齢化が顕著に進んでいる。中国の人口問題の専門家、ウィスコンシン大学マディソン校のYi Fuxian氏は、やがてこの状況は中国全体に波及していくと述べている。(米議会出資のラジオ局、ラジオ・フリー・アジア、以下RFA)

 中国のシンクタンクは、中国の人口は2026年から2030年の間に頭打ちになるか減少に転じると予測する。長く続いた一人っ子政策、生活費の上昇、社会的道徳観の変化などで出生率が低下しており、2020年は1.3と1961年以来最低となった。高齢化に加え若者と生産年齢人口(15歳~64歳)の減少は、これまで人口ボーナスに頼ってきた経済に大きな影響を与えると見られている。(ロイター

 Yi氏は、高齢化率の上昇は経済成長の鈍化を引き起こすと指摘する。中国の2011年以前の経済成長率は平均10%だったが2019年は6%。2035年には人口構造は2018年の日本とほぼ同じになり、経済成長率も1%程度と予測している。(RFA)

Text by 山川 真智子