欧米より健闘? GDP年率27.8%減、海外メディアはどう見たか

Koji Sasahara / AP Photo

 日本の2020年4~6月期のGDP(速報値)が1~3月期から7.8%、年率換算で27.8%減り、GDPを経済指標として取り入れた1955年以来最大の落ち込みとなった。新型コロナの影響で各国の経済は悪化しており、数字上は日本だけが際立って悪いわけではない。しかし、コロナ以前から日本経済は下り坂に向かっており、回復にはかなりの時間がかかるという予想もある。

◆ロックダウンなし ほかのG7諸国より健闘?
 海外メディアは、日本のGDPの落ち込みを大きく取り上げている。緊急事態宣言で買い物や外食の支出が控えられたこと、輸出が減少したこと、インバウンド観光がほぼ消滅してしまったことなどが響いたという見方だ。しかし、1~3月期と比べアメリカは9.5%、ドイツは10.1%、イギリスは20.4%減と、日本のほうが良い結果になったとも述べている。これらの国々はいずれもロックダウンをして経済を止めたことが影響したと見られている。

 日本は法的にロックダウンが不可能だったため、自粛という形をとり、これがGDPの落ち込みを抑えたという見方もある。しかし広範囲なロックダウンなしで感染制御に成功し、通常に近い形で経済を機能させていた韓国の3.3%減、台湾の0.7%減と比べると、非常に悪い数字だとフィナンシャル・タイムズ紙(FT)は述べている。

Text by 山川 真智子