スペイン、低所得世帯に最大月12万円 コロナで計画加速

Manu Fernandez / AP Photo

 新型コロナウイルス感染が拡大したスペインでは、ロックダウンの影響もあり、生活に苦しむ人が増えている。政府は弱者救済のため、ベーシックインカム(BI)制度を閣議で承認した。これまで各国でBIの可能性が議論されており、パンデミックを機に制度を導入する初の国として注目を浴びている。

◆コロナ前から格差拡大、貧困層増加
 今回の決定は、国民全員に一定額を給付するユニバーサル・ベーシックインカムとは異なり、実質的には最低所得保障となる。収入と扶養家族の数によって給付額が決定され、85万世帯に、月462ユーロ(約5万7000円)~1015ユーロ(約12万6000円)の給付を予定している。スペインの人口約4600万人のうちの250万人が対象となる。

 スペインは、社会労働党と急進左派ポデモス党の連立政権となっており、最低所得保障は選挙前からの公約で両党連立合意の中心だった。恒久的な導入を計画していたところ、新型コロナによる経済悪化で加速される結果となった。貧困はすでにパンデミック以前からスペインの構造的問題で、全世帯の5分の1の380万世帯が貧困ライン以下にあり、ほかのEU諸国と比べ、所得の再分配も進んでいなかった(フィナンシャル・タイムズ紙、以下FT)。

 スペインの失業率はEUでも最悪レベルで、3月末時点で労働人口の14.5%が失業中だった。さらに現在300万人が一時的に休職扱いとなっている。休職者となってから6ヶ月間は解雇されないことになっており、その期間が明ける秋に解雇が進む可能性がある。

Text by 山川 真智子

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