読者は一日3900万人 ドイツ新聞業界の実態と行く先は?

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 ドイツ人の日刊新聞読者は一日平均3900万人。14歳以上の市民の2人に1人が新聞を通して情報を収集している。だが、新聞業界の低迷は、ドイツでも深刻な問題になっている。紙の日刊紙販売部数は最盛期に比べ半数に落ち込んだ。ネットに活路を見出すものの、業界の先行きは不透明。生き残りをかけ苦戦が続いている。

◆読者よ、いずこへ 新聞業界の実態
 ドイツの日刊新聞は323紙、地域版1452紙を含めて連日1410万部販売されている。さらに週刊新聞23紙(170万部)、日曜新聞6紙(180万部)も好評で、市民の生活に定着している。根強い人気を持つ地域版の定期購読者は1000万人ほど。なおデジタル版の利用者は一日1300万人に上る(ドイツ新聞発行者団体)。

                                                                                                                 

 新聞を読む時間は一日39分、週末は44分。紙の新聞読者層は、50歳から70歳が一番多く、約75%が日刊紙を読んでいる。40歳代は55%、30歳代は43%、20歳代は34%と続く。紙の新聞離れが一番顕著なのは、14歳から19歳の若者たちで23%。これに反して14歳から19歳のデジタル版利用者は80%近くに上る。

 デジタル版に移行するなかで、紙の日刊紙販売部数は減り続け、2018年は前年比60万部減の1410万部となり、1991年の2739万部と比較するとほぼ半数となった(グラフ参照)。発行部数の減少に伴い、売上高も毎年1%ほど下降し続け、2017年度は74憶ユーロ(約8880憶円・1ユーロ=120円)で過去最低となった(ドイツ連邦統計局、販売部数売上高)。

グラフ:1991年から2018年までの販売部数移り変わり 出典:ドイツ連邦統計局

 2019年度第2四半期の最新報告で最も販売部数が多かったのはタブロイド紙ビルドの131万部。2位は南ドイツ新聞の29万部、3位フランクフルターアルゲマイネ紙の19万部と続く。

 一方で、前年同期に比べて販売部数が大幅に減少したのは、ビルト紙(10%減)とヴェルト紙(14%減)だった。南ドイツ新聞、ツァイト紙、タッツ(ベルリン)の三紙は、前年とほぼ変わらない販売部数を保持した(『MEEDIA』)。

Text by シュピッツナーゲル典子