韓国の輸入ビール市場が急成長、「3強」にアサヒ 日本産人気の理由は?

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 世界で日本食がブームになるなか、韓国では日本産のビールが好調だ。韓国紙の中央日報が今年上半期の大手コンビニ3社(セブンイレブン、CU、GS25)の輸入ビール販売量を調査したところ、日本のアサヒビールがトップとなった。韓国ではアサヒ、中国・青島ビール、オランダ・ハイネケンの外国メーカーが3強体制を固めており、韓国最大のディスカウントストア「Eマート」で取り扱う輸入ビールの割合は半分を超える。日本産ビール好調の背景には訪日ブームの影響で日本食が根付いてきたことが指摘されている。

◆輸入ビールは好調、一方、韓国国産ビールは低調
 韓国では日本同様にビール離れが進んでいる。韓国大手スーパーのロッテマートでは、上半期の全ビールの売上高は前年同月比1.4%の増加にとどまり、国産ビールは5.6%の減少となった。前出のEマートでは前年同期比6.9%減少、国産ビールは8.6%減少した。

                                                                                                                 

 しかし、輸入ビールはロッテマート(9.8%増加)、Eマート(5.4%増加)と両社ともに好調を維持している。今年、Eマートのビール全体の売り上げに占める輸入ビールの割合は全体の53%まで上がっている。

 韓国貿易協会によると、昨年のビール輸入額は前年比45%増加となる約2811億ウォン(約276億円)だったが、ビール輸出額は前年より24%増の約1201億ウォン(約118億円)にとどまり、輸入額の半分以下の水準だった。ビールの貿易赤字は過去最大となる1610億ウォン(約158億円)を記録した。

 さらに今年1月から米韓FTA(自由貿易協定)に基づいて米国ビールの輸入関税が撤廃されており、7月からはEU(欧州連合)のビールも関税が撤廃されている。今後、赤字規模はさらに拡大すると見られている。

◆訪日旅行者の増加が一因?
 日本のビールが人気となっている理由について、中央日報は、「日本のビールを好む背景には日本を訪問する旅行者が急増するなど、日本の外食文化が深く根付いているからだ」と説明する。

 実際、韓国人の海外旅行先で最も人気がある都市は「大阪」だ。旅行オンラインサービス「アゴダ」の調査によると、今年6〜8月の宿泊予約データを分析した結果、海外都市の中では大阪が最も人気のある旅行先に選ばれた。このほか東京、福岡、沖縄、札幌の各都市もトップ10入りするなど、日本の人気が圧倒的に高い結果となった(聯合ニュース)。

 日本政府観光局(JNTO)のデータを見ても今年1〜5月の外国人観光客数は、韓国が前年同月比20.6%の増加となる341万人でトップだ。

◆韓国産のビール盛り返すか
 韓国農水産食品流通公社(aT)によれば、輸入ビールは、量的な増加だけでなく、販売品目も前年比で2.5倍に増えている。今後、輸入ビールの韓国市場進出はさらに加速するとの見通しだ。

 韓国はこれまで「ハイトビール」と「QBビール」が国内トップシェアを競ってきたが、近年は4年連続で営業赤字を記録するなど販売不振に陥っている。国産ビール復活に向けた業績改善が急務だ。

Text by 古久澤直樹

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