トランプ氏激怒も、自ら招いたハーレーの生産国外移転 米メディアも呆れ気味

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 アメリカのシンボルとも言える二輪車メーカー、ハーレーダビッドソンは、今後生産の一部を海外に移転する方針を示した。これは、トランプ大統領が鉄鋼・アルミに課した追加関税への報復として、EUが米産二輪車に課した追加関税に対応するためだ。これまで「メイド・イン・アメリカ」と同社を絶賛していたトランプ氏だが、一転批判に転じている。

◆海外工場に不満 トランプ氏、ツイートで猛攻
 ハーレー社の発表を受け、トランプ大統領は、「(同社製品は)絶対に他国で作られてはだめだ。彼らの従業員や顧客はすでにとても怒っている」とし、移転すれば終わりの始まりであり、オーラを失い、これまでにないほど課税されるだろうとツイートした。トランプ氏はさらに別のツイートで、同社が以前ミズーリ州の工場を閉鎖し、タイに生産を移転すると発表していたことに言及。関税問題をすでに決まっていた計画の言い訳に利用していると、非難している。

                                                                                                                 

 ロイターによれば、ハーレー社がミズーリ州の工場を閉鎖する理由は、アメリカでの二輪車の需要が急速に落ち込んでいるためだという。それでも、ミズーリ工場での業務はペンシルバニア州の工場と統合し、アメリカでの生産を止めるわけではない。タイでの工場建設は昨年5月に発表しているが、ここで組み立てられるのは東南アジア市場向け製品のみだ。建設を決めたのは、TPPによって成長するアジア向け輸出の関税が下がるはずだったが、米国がTPPから脱退してしまったためだと、ロイターは説明している。

Text by 山川 真智子