南鳥島のレアアース、世界経済を変える? 現状「ただの泥」の可能性

U.S. Navy / Wikimedia Commons

 こうしたレアアース市場の分析を前提として同氏が南鳥島海底のレアアース発見を考察するには、確かに海底にレアアースが大量にあるのだろうが、それを採掘し市場で流通可能なかたちにまで加工するには大きな障害が立ちはだかっている、とのこと。

 さらに同氏は、日本が置かれている状況について「どこかを採掘すると、泥と鉱石というふたつのものが出てきます。みなさんの家の裏庭を掘ると泥が出てくると言えるのは、裏庭からレアアースを抽出して売りに出すにはコストがかかるからです。しかし、裏庭からレアアースを抽出するコストが安くなった途端、裏庭の泥はレアアースとなるのです。ところで、今回日本は何を発見したのでしょうか。現時点では、まだただの泥です」と語った。

Text by 吉本 幸記