南鳥島のレアアース、世界経済を変える? 現状「ただの泥」の可能性

U.S. Navy / Wikimedia Commons

◆それはまだ泥
 一方でテック系ニュースサイト『The Verge』は4月17日、南鳥島海底のレアアース採掘に立ちはだかる課題を指摘する記事を掲載した。同記事は、現在中国がレアアース市場を支配している原因は、レアアースの採掘が「費用がかかり困難で、さらに危険である」ために西洋諸国は多かれ少なかれ中国にレアアース採掘を押し付けることことを良しとしている、というレアアース取引の経験のあるフリージャーナリストのティム・ウォーストール氏の解説を紹介している。

 そして、2010年、中国は尖閣諸島における中国漁船衝突事件への制裁措置として日本に対してレアアースの輸出制限を実施したものも、レアアースを消費する日立や三菱といった企業はレアアースをあまり使わない製品を開発して制裁を切り抜けた事例を引き合いにしながら、中国のレアアース支配から抜け出す迂回路は多数あることを報じた。

Text by 吉本 幸記