南鳥島のレアアース、世界経済を変える? 現状「ただの泥」の可能性

U.S. Navy / Wikimedia Commons

◆中国の支配からの脱却
 南鳥島海底のレアアース発見に関して、CNNは4月17日、「日本の小さな島の泥が世界経済を変えうる」と題した記事を掲載した。同記事では、天然資源の研究を行っているアメリカ地質調査所のレポートを引用している。それによると、レアアース自体は比較的豊富に地球に存在しているものも、それらは「採掘可能な埋蔵鉱石として集中して存在していない傾向にあり」、それゆえ今回のような規模の発見は非常に重要だとしている。さらに、「世界のレアアースは数えることができるほどの少ない採掘源から供給されている」とも述べている。事実、2015年のレアアース生産量の95%は中国が占めていることを同記事は指摘する。

 以上のようなレアアース市場の現状をふまえたうえで、日本は今回発見されたレアアースをもってすれば、新たな供給源をもたらすことでレアアース市場の完全なコントロールを達成する、と同記事は記す。また日本の採掘に関する研究も、発見した海底のレアアースを「近い将来、採掘可能」であると示している、と伝えている。

Text by 吉本 幸記