2018年の中国経済はどうなる?

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◆政治・経済の安定に向けた社会の安定
 昨年、毎年年末に開催される中央経済政策会議において、中国政府は、オンライン詐欺や職場での性差別、一部地域における保育サービスの不足といった問題について、より幅広い国民の懸念を詳細に話し合うという異例の行動をとった。ここには社会の統一を図りたいという党の思惑がある。

 社会の統一性を保つことは、中国の指導者たちが長年抱えてきた問題だ。2018年には、習近平国家主席が長らく温めてきた計画のひとつ、脱貧困キャンペーンにより力を入れ、農村部で貧困に苦しむ数百万人の国民を、水と電気が完備された新たな家屋へ移す見込みだ。これにはGDPなど経済成長に関する指標を改善するばかりでなく、共産党とその指導部への支持を増やす狙いもある。

 中国指導部は、社会の統一を目指す取り組みとして、党への指示を固めるための政策も進めている。最近では、企業や市民団体における政党組織の強化を目的とした対策が次々と講じられている。

 これらの対策は、中国会社法で既に規定されている条項に従い、国内のすべての組織(地方組織、外国籍組織、商業組織、非営利組織)の中に、共産党の下部組織を設置するよう求めるものだ。そうすることで、党はあらゆる組織の運営状況をモニタリングでき、影響を及ぼすことができる。

                                                                                                                 

 社会信用制度の推進もまた、組織と個人両方の行動をモニタリングし、影響を及ぼすことを目的としている。信用制度とは、社会的に良い行いした組織や個人に信用ポイントを付与する制度だ。企業が慈善活動を実施した場合や、個人が道の清掃活動を行った場合にもポイントがつく。また交通違反、料金支払いの遅延、家庭内暴力など反社会的な行いは減点の対象となる。大きな違反を犯せば、「ブラックリスト」に載せられる恐れもある。

 中国政府は明確な指針を示し、その通達も徹底的に管理している。しかし地方における実施状況にはばらつきがあり、政府が把握できていない部分も多い。

 中国は、政府の指示と地方での実施状況の差を埋めようとし、常にその方法を模索してきた。この点に関しては、今後も苦難が続くだろう。

 例えば、中国政府は最近、すべての地域での石炭を燃料とする暖房器具の使用を禁止し、天然ガスへの移行を命じる法令を発布したが、ここで思わぬ問題が発生した。この法令により、中国北部の何千戸もの家庭や学校が、凍えるような寒さの中でも暖房を使えないという事態を招いたのだ。これを受け、当局はこの政策の撤回を余儀なくされた。

 中国政府にとって重要となるのは、改革と保守のバランスの調整だ。つまり積極的な改革により、経済の安定が損なわれる恐れがあれば、他の政策でそのリスクを打ち消さなければならない。

 上手くバランスのとれた改革が実現すれば、変動の大きな世界情勢に、中国経済がいちはやく適応できるようになるだろう。しかし中国が(国際社会と国内の両方で)掲げる壮大な野望は、失敗に繋がるリスクも孕んでおり、そうなれば莫大な被害を受けることになるだろう。

This article was originally published on The Conversation. Read the original article
Translated by t.sato via Conyac

The Conversation

Text by The Conversation

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