VPNとはどんなサービス? 仕組みや使用用途、おすすめサービス4選を紹介

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オンライン上でゲームアプリを遊んだり、海外から配信される各種コンテンツを楽しんだり、手元のiPhoneからネットフリックスを見たり…。インターネットが身近になり、その楽しみ方が多様化している今、自身の通信環境の安全性についてもより深く検討するのがおすすめです。セキュリティ対策やプライバシー保護のため、個人で有料VPNサービスを利用する方も増えてきています。

VPNとは、「Virtual Private Network」の略で「仮想専用網」を意味します。「気にはなっているものの、具体的にどういうものかわからない」「適切な値段設定がどの程度か知りたい」といった思いを抱いている方に向けて、VPNの基本やおすすめサービスについて解説。ぜひ参考にしてみてください。

VPNの仕組みとは

VPNはセキュリティを保護する回線のこと

VPNとは、仮想のプライベートネットワークを構築することで、通信の安定性や安全性を確保する技術を意味します。不特定多数が利用できるインターネット回線の中に、利用者を制限できる仮想のトンネルを作るイメージを思い浮かべてみてください。通信を暗号化したりアクセスを制御したりすることで、情報を保護できる仕組みとなっています。

近年VPNの注目度が高まっている理由の一つが、テレワークの普及です。自宅はもちろん、カフェや公共の場で仕事をする機会が増加しています。いつでもどこからでもアクセスできるのがインターネットの強みである一方、悪意を持つ第三者に情報を盗み見されたり、改ざんされてしまったりする恐れもあるでしょう。VPNにより仮想トンネルを構築すれば、共有回線であってもまるで専用回線のように安全に利用できます。「専用回線の安全性のほうが高いとわかっていても、負担が重く設置できない…」と悩む企業にとって、VPNは非常に役立つサービスと言えるでしょう。

近年では、情報保護を目的に個人でVPNサービスを導入するケースも増加しています。サイバー攻撃や情報漏洩リスクを抱えるのは、決して大企業だけではありません。中小企業はもちろん、個人をターゲットとした事例も増えているなか、より手軽にセキュリティを高められる方法として、導入を検討してみるのもおすすめです。

VPNの主な使用用途とは

海外のVODを日本から閲覧する

海外版のネットフリックスやアマゾンプライムビデオは、日本版では見られないコンテンツを楽しめるなどの理由で、国内でも人気です。VPNの利用により、安全かつ快適に楽しめるでしょう。VOD利用時に重要なのは、通信速度の速さと安定性です。VODサービスの提供元の国や地域にサーバーを設置していれば、快適に利用できます。韓国や中国で放映中の人気ドラマなども、いち早く視聴できるでしょう。

日本のVODを海外から閲覧する

海外への出張中や旅行中も、日本と同じようにVODを利用したいと思う方も多いのではないでしょうか。VPNを利用すれば、アクセス制限を回避し安全かつ快適に各種コンテンツを楽しめる可能性がアップします。こちらの場合、日本国内にサーバーを設置しているサービスを選ぶのがおすすめです。できるだけ多くのVODを網羅しているところを選べば、国内にいるのと同じ感覚で楽しみやすいでしょう。

リモートワーカー

日常的にリモートワークを行っている方にも、VPNはおすすめです。社外で仕事を進めるためには、データを持ち出す必要があるでしょう。その中に、重要データが含まれるケースも少なくありません。会社がVPNサービスを契約し、仮想専用網を構築していれば、どこからでも安全に社内ネットワーク上のデータにアクセスできます。自宅の通信環境にかかわらず、高度なセキュリティ体制を構築できる点もメリットです。

カフェなどのフリーWi-Fiを使用する

カフェや公共施設、ホテルなど、フリーWi-Fiを提供する施設は少なくありません。とはいえこちらは、誰もが自由にアクセスできるもの。悪意を持った第三者から、攻撃を仕掛けられる可能性もあります。自身の端末への不正アクセスやウイルス感染を防ぐためにも、VPNの利用は効果的です。フリーWi-Fiを利用する機会がある人は、自身の身を守るためにも積極的にVPNの利用を検討してみてください。

日本では未発表のゲームをプレイする

海外で発売されているゲームの中には、日本未発表のものも少なくありません。日本からアクセスできない場合でも、海外にサーバーを持つVPNを利用すればプレイが可能に。サーバーが設置されている国からインターネットに接続しているとみなされるためです。対応OSにiOSが含まれていれば、iPhoneからの利用もできます。話題のゲームもいち早く楽しめるでしょう。

安心・おすすめのVPN

Nord VPN


VPNが気になっているものの、経済的な負担が気になる…という方でも、気軽に使えるのがNord VPNです。一般的な機能を搭載した「プラスプラン」の価格は、1か月あたり2,190円。2年プランなら1か月あたり690円で利用できます。最低限のサービスのみを低価格で提供するベーシックプランや、暗号化されたクラウドストレージ(1TB)をセットにしたコンプリートプランなど、利用スタイルに合わせてプラン選択できるのも特長の一つと言えるでしょう。(※2024年6月時点)

Nord VPNは世界111の国と地域にサーバーを有していて、高速かつ安定した通信環境を提供しています。Windows・macOS・Linux・Android・iOS・Chrome・Firefox・Edge・Android TV・tvOS・その他と多種多様なデバイスに対応しており、スマホからはアプリで簡単に利用可能です。サポートは24時間年中無休で提供されていて、メールやライブチャットで対応してもらえます。2年プランで契約すれば、かなり安い値段で利用できるため、長期利用を前提に検討している方におすすめです。

Express VPN


Express VPNは速度や安定性で人気のVPNサービスです。有料VPNの中でも、料金が安いことも魅力の一つ。1か月あたりの利用料金は12.95ドル、12か月プランなら1か月あたりわずか8.32ドルで利用できます。契約から30日間の返金保証が付いているので、初めてでも安心です。(※2024年6月時点)

Express VPNの特徴は、日本を含む105の国や地域にサーバーを持ちアクセスできるという点です。データは高度な暗号化規格で保護されていて、安全性を確保しています。iPhoneやAndroid端末のほか、MacにWindows、Linuxにルーターと多様なデバイスに対応。専用アプリから利用できるため、初めてでも戸惑うこともありません。万が一のときには、24時間体制のサポートを日本語で利用できます。最大8台での同時接続が可能で、個人特定につながるデータを保持しません。他社にはない6か月プランがあるなど、バランスの良さが魅力的なVPNサービスと言えます。

Millen VPN


Millen VPNは、日本発のVPNサービスです。日本語でのサービス&サポート提供が標準であり、日本の法令を遵守しています。日本人の利用を前提としたサービスを提供しているため、わかりやすく利用しやすいと言えるでしょう。価格面でも魅力があり、2年プランなら月額負担はわずか360円、10台での同時利用が可能です。30日間の返金保証が付いているため、万が一満足できなかったときでもすぐに対応してもらえます。最短7日からのワンタイムプランもあるので、短期の旅行や出張にも対応しやすいでしょう。(2024年6月時点)

Millen VPNは世界72か所にサーバーを設置し、安全かつ快適なインターネット接続環境を提供。他社が苦手とする中国やロシアからでも、日本のVODに快適にアクセス可能です。日本から海外に接続できる国も多く、世界各国のVODも幅広く楽しめるでしょう。ネットフリックスやYouTube Premiumといった人気コンテンツも問題ありません。サーバー数はやや少ないものの、世界各国の動画や音楽を自由に楽しみたい方にとって、非常に魅力的なサービスです。

Surf Shark

家庭内でさまざまなデバイスを使い、インターネットにアクセスしている方におすすめなのがSurf Sharkです。同時接続台数に制限がないため、家族みんなでネットを使う場合も快適に利用できるでしょう。Surf SharkのVPNサービスは3つのプランで提供されており、それぞれ充実度が異なっています。真ん中のタイプを1か月で契約した場合の費用は月額2,378円です。2年単位で契約すると、月々の負担は388円にまで軽減できます。非常に安い価格で利用できるのも、魅力の一つです。(※2024年6月現在)

Surf Sharkのサーバーは世界100以上の国や地域に設置されていて、中国からでも利用できます。利用開始までの流れも非常にシンプルで、初心者にも安心です。広告やマルウェア、トラッカーからデバイスを保護するとともに、トップレベルの暗号化にも対応。また厳格なノーログポリシーにより、プライバシーにも配慮しています。30日間の返金保証が付いているので、実際に自分で速度や使用感を確かめられるのも嬉しいポイントです。

Text by NewSphere 編集部