マッツ・ミケルセンの経歴や出演映画 「北欧の至宝」の魅力に迫る

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日本にもたびたび来日し、映画ファンから絶大な人気を誇る個性派俳優マッツ・ミケルセン。近年では『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』(2022年)で魅せた闇の魔法使い役が記憶に新しい。この記事では「名悪役」「北欧の至宝」として名高いマッツの唯一無二の魅力に迫る。

マッツ・ミケルセンの経歴

マッツ・ミケルセンの経歴

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名前Mads Dittman Mikkelsen(マッツ・ディットマン・ミケルセン)
生年月日1965年11月22日 
星座さそり座
出身地デンマーク・コペンハーゲン
身長184cm
デビュー作映画『プッシャー』(1996年)
代表作映画『007 カジノ・ロワイヤル』(2006年)TVドラマシリーズ『ハンニバル』(2013年 – 2015年)など
公式SNSInstagram @theofficialmads
Twitter @theofficialmads

マッツ・ミケルセンは1965年11月22日デンマークのコペンハーゲンで、看護師の母と銀行員の父のもとに生まれた。マッツは2人兄弟の末っ子であり、1歳年上の兄ラース・ミケルセンも俳優をしている。

若い頃には、体操選手としてトレーニングを受けていた時期がある。その後、デンマーク国内にあるオーフスの演劇学校やヨーテボリのバレエ・アカデミーなどで舞台芸能の基礎を培った。身体能力の高さを活かし、20代頃までは俳優ではなくプロダンサーとして活動していた異色の経歴の持ち主である。

30代の頃にデンマーク映画『プッシャー』(1996年)で俳優としてのキャリアをスタート。その後、ハリウッド映画への出演など、世界へと活動の幅を広げ、「北欧の至宝(Scandinavian treasure)」と呼ばれるようになった。

2010年にはデンマークを代表する国際俳優としての功績が認められ、デンマーク女王から爵位を授与された。

マッツ・ミケルセンの若い頃〜現在までの代表作品

マッツ・ミケルセンの若い頃〜現在までの代表作品

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マッツ・ミケルセンの代表作品を時系列順に紹介する。

1990年代から2000年代

俳優デビュー作となったデンマーク映画『プッシャー』(1996年)で、マッツは麻薬の売人役を好演。ヨーロッパで最も由緒ある映画賞ともいわれるボディル賞主演男優賞や、ロバート・フェスティバル賞主演男優賞、ズールー賞主演男優賞を受賞した。

その後、アーサー王伝説を題材にした歴史映画『キング・アーサー』(2004年)で主要人物の一人トリスタ役を演じ、ハリウッド進出を果たした。

そして、名悪役としてマッツの存在感を世界に印象付けたのが、人気アクション映画『ジェームズ・ボンド』シリーズの『007 カジノ・ロワイヤル』(2006年公開)であろう。この作品では、ダニエル・クレイグ扮するジェームズ・ポンドとカジノで対決するスパイのル・シッフルをマッツが熱演し、大ヒット。日本でも22億円以上の興行成績を収めた。

2009年には、フランスのファッションデザイナーCoco Chanelの生誕100周年を記念して公開された作品『シャネル&ストラヴィンスキー』に出演。シャネルの恋の相手となるイーゴリ・ストラヴィンスキー役をマッツが演じ、ラブストーリーでの演技力も発揮した。

2010年代

その後も俳優としてのキャリアを着実に歩み、2012年公開のデンマーク映画『偽りなき者(Jagten)』でカンヌ国際映画祭の最優秀男優賞を受賞している。

2010年代には、スター・ウォーズシリーズの最高傑作ともいわれる『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016年)、『ドクター・ストレンジ』(2017年)などのハリウッド大作に立て続けに出演。

2013年〜2015年に放送されたアメリカのTVドラマシリーズ『ハンニバル』では、天才的な精神科医でありながら猟奇殺人鬼の顔を持つハンニバル・レクター博士役を務めた。

2020年〜現在

マッツが主演を務めたコメディードラマ映画『アナザーラウンド』(2020年)は、アカデミー国際長編映画賞を受賞。さらに、第74回英国アカデミー賞の非英語作品賞と主演男優賞などにノミネートされた。強面な悪役が多いマッツだが、本作ではコメディという新境地を開拓した。

最近では、ハリー・ポッターシリーズのスピンオフ作品である『ファンタスティック・ビースト』シリーズの第3作『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』(2022年)で、闇の魔法使いグリンデルバルド役を好演した。元々ジョニー・デップが演じていた役を、マッツが引き継ぐ形となった。

最新作は2023年公開予定の『インディ・ジョーンズ』シリーズの第5作目『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』(6月30日世界同時公開予定)。この作品でマッツは、主人公インディ・ジョーンズと対峙するヴォラー役を務めることが発表されている。

また同作の公開に先立ち、2023年5月に大阪で開催されるカルチャーイベント「大阪コミックコンベンション2023」への出演も決定。2019年以来、コロナ禍を経て約4年ぶりとなるマッツの来日にも注目したい。

マッツ・ミケルセンの素顔

悪役のイメージが強いマッツだが、プライベートでは親しみやすい一面ものぞかせている。ここでは、マッツの素顔が垣間見えるエピソードを紹介する。

マッツは体操選手やプロダンサーをしていた経歴からスポーツ好きで知られており、お気に入りのファッションアイテムはアディダスのジャージ。かつてカンヌ国際映画祭の授賞式に、アディダスのジャージを着て現れたことでも知られている。頻繁にジャージを着ている理由は、「思い立ったときにすぐに運動ができるから」なのだとか。

プライベートでは、2000年にダンサー時代から交際していた振付師のハンネ・ヤコブセンと結婚した。娘(ヴィオラ、1992年生まれ)と息子(カール、1997年生まれ)を持つ父親でもある。

そんなミケルセン一家が現在も拠点としているのは、デンマークのコペンハーゲンである。マッツはTVドラマ『ハンニバル』の撮影時に北米に住んでいた時期を除き、人生のほとんどを生まれ故郷のコペンハーゲンで過ごしている。ハリウッド作品などに出演するようになってからも海外に移住することはなく、今もなおデンマークを拠点に活動しているのだ。

映画のプロモーションなどで来日した際には、京都の町を自転車で散策する飾らない姿が目撃されている。世界一の自転車都市といわれるコペンハーゲン出身のマッツらしいエピソードである。

マッツ・ミケルセンの魅力はギャップにあり

本国デンマークのみならず、世界的な個性派俳優として独自の地位を築いてきたマッツ。体操選手、プロダンサーを経て30代で俳優に転身し、2010年にはデンマーク女王から爵位を授けられるほどの世界的俳優に成長した。

スクリーンの中では強面な役柄を演じることが多いマッツだが、プライベートでは母国とスポーツをこよなく愛し、親しみやすい一面をのぞかせている。そういった役作りと素顔とのギャップこそが、俳優マッツ・ミケルセンの演技力と人間的魅力をより一層引き立てているのかもしれない。

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Text by NewSphere 編集部