NZの「最強の男」、パワーリフティング女子大会への出場を申請 競技の公平性訴える

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 ニュージーランドの数々のパワーリフティング大会で優勝し、多数の国内記録を保持している「ニュージーランド最強の男性」が、6月に行われる大会の女性部門への出場を申請した。自認する性別によるスポーツ大会参加を認めることへの抗議の形だという。

◆女性競技の公平性を主張 男性側から立ち上がる
 女性と子供の人権に関するニュースサイト『Reduxx』によれば、この男性はパワーリフティング歴40年以上で、数々のパワーリフティング競技会に参加しているデール・シェパード氏(54歳)だ。トランスジェンダーのアスリートの競技参加は重要だとしながらも、公平性を保ち女性スポーツを維持するには、トランス女性は別のクラスで競うべきだと主張。それができなければ、いずれすべての女性スポーツが、女性を自認する生物学的男性のものになってしまうとし、抗議の意味で女性部門参加を申請した。

352.5キロを持ち上げるシェパード氏。女性大会に参加すれば優勝はほぼ確実

 ニュージーランドのグローバル・パワーリフティング委員会(GPCNZ)の2023年のルールブックは、自認する性での出場を認めている。しかしシェパード氏が自身を女性と申告したところ、少なくとも1年間ホルモン治療を受けている必要があると指摘された。

 対照的に、GPCNZのルールブックでは、男性に移行する生物学的女性には医学的要件がない。この点が差別にあたると、シェパード氏は争っていたという。また、生物学的男性にホルモン治療を行っても、治療前に得た男性的優位が完全に否定されるわけではないという考えも示している。

 ニュージーランドでは、性移行治療の証明書や家裁への申し立てなしで性別変更が容易になる法律が6月15日に施行されることになっており、シェパード氏の女性部門参加の可否が注目されていた。しかし、ニュースサイト『スタッフ』によれば、GPCNZはトランスアスリートの条件にあてはまらないとし、参加資格を認めなかった。

Text by 山川 真智子