サッカー観戦が退屈に?「強い」チームがより勝ちやすく=研究 欧州8万8000試合を分析

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 近年のサッカーの試合は勝敗が予測しやすく、観戦が退屈なものになってきている。こんな傾向を分析した学術論文が発表された。一昔前のリーグ戦に比べると現代の試合は、強いチームは常に勝ち弱いチームは負けるという傾向が、一段とあからさまになっているのだという。

◆8万8000試合を分析
 研究はヨーロッパに存在する11のサッカーリーグを分析対象とし、1993年から2019年までの26年間にわたる試合結果を調査した。対象となった総試合数は約8万8000試合に上る。モデルを単純化するため、このうち引き分けとなった試合は除外され、勝敗のついたゲームについて解析が進められた。研究は、アイルランド国立大学ダブリン校のタハ・ヤセリ准教授(計算社会科学)が主導した。昨年12月、英国王立協会が刊行する科学ジャーナル「ロイヤルソサエティ・オープンサイエンス」に掲載されている。

 ヤセリ准教授たちは各チームについて、期待できる強さを表すスコアを付与した。しかし、単純に勝利数に基づいてスコアを与えた場合、弱いチームとの対戦で勝利数を稼いでいるチームのスコアが不当に上昇してしまう。そこで、ネットワーク分析の考え方を導入し、多くのチームに対して勝利している「強い」チームとのゲームで勝利を重ねた場合ほど、スコアが上昇するようなモデルとしている。

 こうして得られたスコアをもとに、ロジスティック回帰の手法で検証を行い、対戦する2チームのスコアの強弱から試合結果をどの程度正確に予測できるかを評価した。結果、10年前と比べ現在では、チーム間の強弱の差が試合結果により影響しやすくなっていることが明らかになった。すなわち、強いチームは常に勝ちやすくなっている状態だ。

Text by 青葉やまと