「想像力が桁外れ」劇場版「鬼滅の刃」米レビュー好評 批評家の95%が肯定

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◆想像力に溢れる戦闘シーン
 アニメはNetflixなどで北米を含む世界各国に配信され、圧倒的な人気を得ている。その続編とあって、全米1500の劇場で公開されると長蛇の列ができ、劇場によっては初日チケットがほぼ完売となった。内容への評価も高い。批評サイト『ロッテン・トマト』では、プロの批評家による21件のレビューのうち20件が肯定的内容となっている。認証済みの観客が投稿した5000件以上のレビューも、99%が肯定評価だ。

 本作でとくに注目を浴びているのが、アニメ作品ならではの自由な表現力に溢れた戦闘シーンだ。鬼は若き剣士たちの心の内部に入り込み、潜在意識に語りかけて炭治郎たちの意思を試す。米ロサンゼルス・タイムズ紙(4月21日)は、「その独特なビジュアル・スタイルに、緻密さと流麗さが際立つ」「これほど人気のあるアニメに期待されるように、その想像力は桁外れだ」と賛辞を惜しまない。

 米サンフランシスコ・クロニクル紙によるエンタメ情報誌『デートブック』(4月18日)も、「その超現実的な心象風景は、まるでダリのタッチのようにすら感じられる」と独創的なアートスタイルを評価している。

◆キャラクターの掛け合いにも注目
『鬼滅の刃』ではシリアスな戦闘だけでなく、ユーモラスなキャラクター劇も人気の秘密になっている。アニメ版も一家惨殺の悲劇的展開で幕を開けるが、次第にユニークな掛け合いが顔を出し、絶妙な息抜きとして機能する。そのコミカルな一幕は映画版でも健在で、米バラエティ誌は、こうしたキャラクターと一風変わったユーモアのセンスが熱狂的なファンをひきつけているのではないかと分析している。

 一方、映画版はアニメを踏まえた内容となっている性質上、シリーズ未見で劇場に足を運ぶ人は躊躇するかもしれない。たとえば禰󠄀豆子がなぜ鬼になったのか、なぜ箱に入って暮らしているのかなど、詳しい説明は省略されている。バラエティ誌はこのような点から、未見の人にとってはトリッキーかもしれない、と述べる。ロサンゼルス・タイムズ紙も、映画から入っても楽しめるが、ときに混乱する「乗車」体験になるだろうと述べている。シリーズ未見の方は、軽く予習してから劇場に足を運ぶのが良さそうだ。

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Text by 青葉やまと