日本のアニメーターの低賃金に海外衝撃 「夢の職業」の実態を米紙が特集

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 日本のアニメビジネスは、2兆円産業に成長した。最近では『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が、歴代興行収入ランキングで『千と千尋の神隠し』を超え1位になり、海外でも話題だ。その一方で、製作を支えるアニメーターの収入が驚くほど低いという報道も出ており、アニメーターの待遇が問題視されている。

◆薄給当たり前 実態に海外メディア驚愕
 日本のアニメーターの薄給を詳しく報じたのはニューヨーク・タイムズ紙(NYT)だ。同紙がインタビューした29歳、経歴8年の男性は、アニメの原画を作成する「原画マン」だ。トップ・アニメーターで、人気アニメのディレクターも時々務める。しかしフリーランスであることもあり、月収は約15~41万円と不安定だ。彼はまだラッキーなほうだというが、この先結婚や家庭を持つことに経済的不安を感じているという。ちなみにNYTによれば、アメリカのアニメーターの平均年収は7万5000ドル(約816万円)。シニア・イラストレーターともなれば、もう一桁上の年収だという。

 駆け出しのアニメーターはさらに深刻だ。NPO法人アニメーター支援機構が運営するYouTubeチャンネル「新人アニメーター寮チャンネル」によれば、新人アニメーターの月収は3万円~5万円だという。米アニメサイト『Cartoon Brew』は、日本のアニメスタジオの「低い、低い」給料はこれまでも知られていたが、リアルな数字は衝撃的だとしている。

Text by 山川 真智子