五輪新競技サーフィン、テストイベント開催 釣ヶ崎海岸

AP Photo / Jae C. Hong

 国際オリンピック委員会(IOC)が若い世代の観客を動員しようと模索するなか、2020年東京オリンピックの新競技の一つとなったサーフィンは、もっとも魅力度の高い競技といっても過言ではない。オリンピックに新たな彩りを添えてくれることが期待されている。

 東京オリンピックを目前に控え、大きな疑問として上がっているのが、波のクオリティだ。日本のサーフィン文化は100年を超える歴史を持つが、ハワイのノースショアやカリフォルニアのビックサーといったサーフィンのメッカで見られるような、超ビッグウェーブの印象はない。

 サーフィンの五輪会場となる釣ヶ崎海岸では、7月21日まで4日間にわたりテストイベントが開催され、日本人選手が波のコンディションをチェックする機会となった。

                                                                                                                 

 釣ヶ崎海岸は千葉県の東岸に位置し、都心からは電車で約2時間の距離だ。21日のイベント最終日には、一部の選手から波の大きさが足りないと言う意見もあったものの、概ね好意的な評価が得られた。

 国際サーフィン連盟エグゼクティブディレクターのロバート・ファスロ氏は、「波が足りないという意見もありますが、0.9~1.2メートルくらいはあったはずなので、競技に適したコンディションであることは間違いありません。私たちの取り組みの斬新性、独自性は、大きな注目を集めるでしょう」と述べている。

 日本で最も人気の高いサーフスポットの一つである釣ヶ崎海岸は、東京近郊のその他のスポットに比べて波のコンディションが安定していることが評価され、五輪会場に選ばれた。

 日本の大原洋人選手は、「波が安定しているから、このビーチが選ばれたのだと思います。今日の波は少し小さかったですが。これからたくさんの波に乗って、できる限り多くの経験を積んでいきたいです。なじみのあるビーチなので、出場資格を得た時には、オリンピックの舞台でその点を生かせればと思います」とコメントしている。

 ファスロ氏によると、オリンピック期間中には最大4,000人の観客が見込まれる。しかし周辺地域にはインフラがあまり整備されていないため、観客の多くは長時間の移動を強いられることになる。

 ファスロ氏は、「会場の遠さは否定できません。しかしサーフィンにはよくあることです。サーフィンになじみがあり、サーフィンを愛する人々は、必要であれば少しくらい遠いところにも喜んで足を運んでくれるはずです」と言う。

 大会は4日間にわたり開催される予定だが、主催側は悪天候に備え、8日間の幅を持たせている。

 オリンピック競技にサーフィンを推す声は昔からあったが、2014年、IOCが若々しく活気のあるスポーツを新競技とする必要があるという認識を示したことから、サーフィンは強力な後押しを得た。

 合計26種類のスポーツが2020年東京オリンピックの競技に選ばれ、2016年8月にはサーフィンを含む4競技が新たに追加された。新競技に選ばれたのはサーフィンのほか、空手、スケートボード、スポーツクライミングだ。野球とソフトボールは2008年北京五輪を最後に落選が続いていたが、一つの競技として復帰を果たした。

 IOCはまた、パリで開催される2024年の五輪競技にもサーフィンを加えると決定している。

 日本のサーフィンの起源は、100年以上前に遡る。

 サーフィン情報サイト『レジェンダリー・サーファーズ』のまとめによると、当時日本で使われていた木船には、板子と呼ばれる取り外し可能な底板がついていた。漁を終えた船が浜に引き返すと、漁師の子どもたちが板子を船から外し、ボディボードにして遊んでいた。そしてこの底板に乗る遊びが、「板子乗り」として広く知られるようになった。

 第二次世界大戦後の占領期間中には、アメリカ軍の兵士が鎌倉や唐津など基地周辺の浜辺で、ガラス繊維製のロングボードを使ってサーフィンを始めた。

 サーフィンは1960年代にブームとなり、1966年には日本初のサーフィン大会が開催された。現在、日本のサーフィン人口は200万人を超えると推定される。

 五輪出場資格を得られるのは、男女20人ずつ。各国の出場枠は、最大で男女各2名となっている。

 試合には4メンヒートという方式が採用される見込みだ。4選手が同時に対戦し、上位2選手が次のラウンドへ進出する。試合時間は波のコンディション次第だが、20~25分間。その間、各選手は10~12本の波に乗ることができ、そのうち点数の高かった2本の合計が最終得点となる。

 アメリカ、オーストラリア、ブラジルは、東京五輪の優勝候補として注目されている。

 日本はというと、五十嵐カノア選手の活躍が期待されている。五十嵐選手はカリフォルニア州ハンティントンビーチ生まれの21歳で、2020年には両親の故郷である日本の代表選手として出場すべく、最近二重国籍を取得した。ワールドサーフリーグで上位に入賞しており、来年のメダリスト候補と言われている。

 五十嵐選手は5月にコロナ・バリ・プロテクテッド男子の部を制覇し、日本人サーファーとしては初めてチャンピオンシップ・ツアーの重要な一戦で優勝を飾った。

 日本は開催国なので、男女各20名の出場枠のうち、それぞれ1枠は無条件で日本に与えられる。さらにもう1枠を獲得できる可能性もある。

 ファスロ氏は五十嵐選手について、「大きな才能に恵まれた選手なので、大会の顔になると思います」と評価している。

By JIM ARMSTRONG AP Sports Writer
Translated by t.sato via Conyac

Text by AP