世界が見た「ちょっと変わってて強い」大坂なおみ 全豪決勝での精神力には脱帽

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 フォックス・スポーツは、若さゆえに瀬戸際に立たされたが、彼女のテニスの成熟があったからこそ、立ち直れたのだと指摘する。大坂の勇敢な反撃により、そのメンタルの弱さより、不屈の精神にフォーカスされることになるだろうと述べ、彼女にチャンピオンとしての力と心が備わっていることがわかったとしている。

 ストレート・タイムズ紙も、第3セットで落ち着きを取り戻し、自分のベストを世界に見せた大坂の勇気を褒め称える。若い才能に一発屋的評価を与える人はいるが、グランドスラムを2回続けて獲得するのはもはやまぐれではないとし、試合だけでなく、自分自身にも勝った彼女を「大物」と評している。

◆話下手も個性 新女王はテニス界進歩の象徴
 全米優勝の際には、喜びを表さなかった大坂だが、全豪の受賞スピーチでは、「すみません。公の場で話すことは、あまり得意じゃないです」というコメントで始めつつも、彼女らしい控えめでほんわかとした話しぶりで会場を沸かせた。

 USAトゥディ紙は、今後は全米全豪を制した大坂を破ることが女子テニス界の目標になると述べる。恥ずかしがり屋だが、いくらか癖のあるユーモアが大坂を助けているとする同紙は、トッププレーヤーがこのようなダイナミックなパーソナリティを誇ることができるのは、テニスがスポーツとして成長した証だと主張。ちょっと変わった、しかし本物の女王の誕生を祝福している。

Text by 山川 真智子