欧米で人気沸騰のゲーム『フォートナイト』、プレーヤーのハートを掴んだ要因とは?

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 近年、大多数のプレイヤーがひとつのゲームステージ内で最後の一人になるまで戦い続ける「バトルロイヤル」形式のゲームがゲーム業界を席巻している。こうしたバトルロイヤルゲームのなかでも屈指の人気を誇る「フォートナイト」について、各メディアが成功した要因を分析している。

◆ゲームと同時にメディア
 ニューヨーカー誌は、フォートナイトの成功要因をゲーム視聴文化に見る記事を掲載した。記事では、フォートナイトはゲームであると同時に「メディアに属するひとつの視覚的形式」であるとするゲーム批評サイト『キル・スクリーン』で編集者を務めるジャミン・ワレン氏の発言を紹介している。こうした主張の論拠として、同ゲームはYouTubeでもっとも視聴されているゲームであり、3月までに数百万のゲーム動画がアップロードされ、それらの動画が3,000万回近く視聴されていることを挙げる。さらに、ゲーム実況ストリーミングサービスのTwitchにおいても、もっとも人気のあるゲームになっている。「フォートナイトは、一種の世界規模のゲームセンターを作ったのです」とも同氏は評している。

                                                                                                                 

 また、記事はフォートナイトの革新性としてシーズンの導入を挙げている。シーズンとは、同ゲームの背景設定やアイテムのデザインを統一的にまとめあげているコンセプトを2ヶ月周期で変えるシステムのことである。このシーズン・システムが有料テレビチャンネルにおけるドラマの進行に似ていると記事は指摘している。

◆フリーミアムを採用
 経済ニュースサイト『ビジネスインサイダー』は、フォートナイト成功の秘密がフリーミアムというビジネスモデルにあるとする記事を公開した。フリーミアムとは基本プレイは無料であるが、プレイするキャラクターの外見を変えるスキンと呼ばれるアイテムなどを有料で販売することで収益を得るビジネスモデルのことである。記事では、こうしたフリーミアムを採用したゲームは同ゲーム以前にも存在し、その事例として大ヒットしたクライムアクションゲーム「グランド・セフト・オート(略してGTA)オンライン」を挙げている。

 GTAオンラインがフリーミアムを採用したことに関して、ジェフリーズ証券のアナリストであるティモシー・オーシー氏は「GTA 5以前には、ユーザにバーチャルグッズのためにお金を使わせる方法を誰も本当には知りませんでした」と述べ、フリーミアムを採用した革新性を評している。同氏は、GTAオンラインが継続的に新しいゲーム対応コンテンツをユーザに無料で提供し続けたことによって、ユーザを繰り返しゲームプレイに引き戻したことも指摘している。このようなGTAオンラインで成功したフリーミアムをフォートナイトは模倣しているのだ。

◆MMOとRPGのいいとこ取り
 テック系ニュースサイト『The Verge』は、フォートナイトのシーズン4が始まって間もない6日、シーズン4の革新性を評した記事を掲載した。シーズン4では、ゲームの舞台となる島に宇宙から隕石が落ちてきて地形を一変させた、という設定になっている。こうしたストーリーテリングが強調されたゲーム演出を施すことによって、同ゲームはMMO(Massively Multiplayer Online:大規模多人数同時参加型オンラインゲーム)に似てきた、と評している。

 シーズン4では、さらにゲームプレイによって得られる報酬であるティアを集めることでスーパーヒーロースキンと呼ばれる特別なデザインのキャラクター・コスチュームを入手できる。このスキンの導入について、記事はゲームプレイによってキャラクターを強化していくRPGのようだ、とも評する。

 以上のように既存のゲームジャンルの要素も取り入れながら進化するフォートナイトは、未来におけるゲーム開発、マーケティング、そしてマネタイズの方法を教えてくれる、と同記事は批評を締めくくった。

Text by 吉本 幸記

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