「ラーメンはすすれ、汁飛ばせ、麺伸ばすな」 海外ラーメン通が初心者に3ヶ条

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 日本食への関心の高まりもあり、世界各国で続々と本格的なラーメン店が開業している。ところが、日本のラーメンを良く知る店主や通の客にとっては、食べ方を知らない客の存在はイライラのもとのようだ。また、ラーメン初心者のほうも、知識のないまま店に入るのは不安だという。そこでおいしくラーメンを食べるための作法を、海外のラーメンマスターたちが解説している。

◆ラーメン店のハードルは高い? 謎の食べ方ルール
「なぜ人々は、飼い葉桶の前の家畜のごとく、どんぶりに覆いかぶさるようにしているのか? なぜものすごい音ですすりながら、限りなく続く長い麺を口からぶら下げているのか?」ウェブ誌『WonderHowTo』は、アジア人以外がラーメン店に入ると、常連客を見ていささか異様な気分になると述べる。

 ブルームバーグは、湯気を出す味わい深いスープの中の張りのある麺を瞬時に食べ切るように作られたラーメンとは、ファンにとってはひとつの美だと表現する。しかし、むさぼるように食べるのにはおじけづいてしまいそうだとし、ラーメンはそのようなカルト的人気がある数少ない食べ物の一つで、いくらか扱いにくいと述べている。「あの長い麺をすすりきれるのか、それとも麺は箸で切っていいのか?どんぶりを持ち上げてそのままスープを飲む人を真似ればいいのか、それともこの人はただ単にレストランに入ったことなどないマナー知らずなのか?」という素朴な疑問を上げ、初心者の戸惑いを説明している。

◆アツアツを逃す人々。ラーメンは熱さが命
 ラーメンについては知られていないことがいっぱいだというウェブ誌『Thrillist』は、ラーメンとは15分以内に食べるものだと読者に教える。同誌のインタビューに答えたカリフォルニア州オークランドの「Ramen Shop」のオーナー、Jerry Jaksich氏は、できたてアツアツのラーメンをテーブルに運んだのに、客が写真を撮ったりおしゃべりをしたりするのに夢中で、しばらく手をつけないのを見て、激しいフラストレーションを感じたものだと述べる。朽ちていく麺、冷めるスープ、分離する油脂をラーメンの死に例え、「テーブルに置かれたときこそがラーメンのピークなのだから、携帯は脇に置き、どんぶりに飛び付くべき」としている。

 かつては東京でラーメン店を経営し、現在はニューヨークに2店舗を構える「アイバン・ラーメン」のアイバン・オーキン氏は、熱いスープの中のラーメンは、置いておけば伸びてしまうし、でんぷん質が溶け出しスープにぬめりを与えると述べる。出来立てアツアツのピザを目の前にして先にサラダに手を付けることがないのと同じで、ラーメンは熱いうちに食べるのがルールだとしている(ブルームバーグ)。

◆マナー違反?でも、すすることでおいしさはアップ
 西洋ではすすることはマナー違反とされているが、麺をすすることを怖がるなと海外のラーメン通は言い、日本ではむしろすすることが求められていると解説している。Jaksich氏は、すすることは作り手への賛辞でもあり、音を立てて食べないことは、逆に失礼だと主張している。

 文化的な側面以外を見た時、すする利点として上げられるのは、スープはアツアツのまま1口分の麺だけを冷ましながら口に運べることだ(WonderHowTo)。またJaksich氏は、スープの絡んだ麺をすすって空気に触れさせることで味をさらに引き出すことができるとし、ワインテイスティングと同じ原理だと説明している。

 WonderHowToは食べ方のポイントとして、まず麺を少量すくって高く上に引き上げ、どんぶりの中の残りの麺と分離させよとしている。そして唇をすぼめてボールの上に身をかがめ思いきり音を出して麺を吸いこむ。その際、汁が周りに飛び散れば、正しくすすれているとのことだ。途中でどんぶりから直接、またはレンゲを使用しスープを飲むことを挟みつつ、この作業を繰り返せと指南している。

 最近は、麺をすする音で他人に迷惑をかける「ヌーハラ」」防止のため、すする音をカモフラージュするフォーク「音彦」なども登場し話題となっているが、オーキン氏はラーメンを食べるうえで、マナーの気にし過ぎは禁物と言う。海外ラーメン通も認める食べ方の鉄則は、すする、汚すのを気にしない、そして伸びないうちに食べ終えるという、極めてシンプルな3点らしい。

Text by 山川真智子

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