結局のところ、バランスのとれた食事とは何なのか?

著:Clare Collinsニューカッスル大学, Professor in Nutrition and Dietetics)

 最近こんな質問を受けた。「もし私の食習慣が半分良くて半分悪いとしたら、全体的には食事のバランスが取れていますか?」簡単に言ってしまえば、答えは「ノー」だ。

 ではバランスのとれた食事とはどんなものだろう?「Healthy Eating Quiz」を受けてすぐにチェックしてみよう。スコアが38以上の人は、おそらく「バランスのとれた食事」をしている。

 私たちは「Healthy Eating Quiz」を開発した。これは食事の質を評価し、普段の食習慣が健康的かどうかをすばやくチェックできる簡易的なスクリーニングツールだ。私たちが大人子供幼児を対象に実施した調査で、食事の質のスコアが最も高い人は、健康にとって重要なビタミンやミネラルの摂取量も多いということが分かった。

 だから目指すのは野菜、果物、全粒、脂肪分の少ない動物性または植物性タンパク質(肉、鶏肉、魚介類、卵、ナッツ、豆類)や乳製品(チーズ、牛乳、ヨーグルト)などの健康的または「基礎的」な各食品群をもっと幅広く増やすことだ。

 カルシウム、鉄、亜鉛、葉酸、ビタミンB群、ビタミンC、ベータカロテン、繊維、植物栄養素などの5つの「基本的な」食品群の中には大事な栄養素が含まれている。つまり毎週さまざまな基本的食品群を食べ、不健康かつ高カロリーで栄養が乏しい食品、いわゆる嗜好品をお皿に乗せる余地を残さないことは理に適っている。

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「バランスのとれた食事」とは適切な栄養を十分に摂る食事のことで、同じ量のピザとブロッコリーを食べるということではない。Lightspring/shutterstock.com

 私たちの若い女性に関する調査では、野菜と果物の摂取量の多さと健康的な肌色や肌ツヤの良さに関連があることが分かった。また、減量に関する研究では、3カ月以上にわたって食事の質のスコアが最も増えた人は最も体重が減少したことが分かった。

 5年以上にわたって1万2000人のオーストラリア人を調査している研究者は、野菜と果物の摂取量を増やすと幸福度、生活満足度、生活の安定度が上がることを発見した。ふだんの買物にさまざまな健康的な食品、特に野菜や果物をたくさん追加して多様な力を活用しよう。

◆栄養参照量(Nutrient Reference Value:NRV)
 全体の栄養バランスは、(特に子供の)正常な成長を支え、体の必要を満たし、栄養不足または栄養過多による病気の発症を防ぐために、ふだん食べている食品から十分な栄養(多量栄養素食物繊維、ビタミン、ミネラル)を摂っているかどうかで決まる。

 このような栄養摂取目標は「栄養参照量(NRV)」と呼ばれる。必要とされる各栄養量は、年齢、性別、ライフステージ(妊娠中か授乳中かなど)によって決まる。栄養参照量を計算することで、自分の1日当たりの推定平均必要量、推奨摂取量、上限量を確認することができる。

 誰もが栄養参照量を満たしているわけではない。基準に満たない場合は、食品由来の健康障害のリスクが上がる。このオーストラリアの国民健康調査の最新結果は、食品からふだん摂っている栄養摂取量と栄養参照量を比較したものだ。良かった点は、ほとんど全員(95%以上)がタンパク質、ビタミンC、ビタミンB12、リン、セレンの必要量を満たしていたことだ。

 しかし、ほとんどの人はカルシウムが不足していた。男性の約半数(51%)と女性の約4分の3(73%)はカルシウムの必要量を満たしていなかった。カルシウムが豊富に含まれているのは、乳製品とカルシウムが強化された豆乳だ。カルシウムの摂取が足りないと、骨密度の低下と骨折のリスクが上がってしまう。

 男性のほとんどは十分な鉄分を摂っていたが、女性の23%は肉、鶏肉、魚または豆類のようなベジタリアンの代用食品などから十分な鉄分を摂っていなかった。この場合、疲労感や免疫力低下などの症状を伴う鉄欠乏症や貧血になるリスクが高くなる。

 オーストラリアのパン用小麦粉は葉酸が強化されており、ほとんどの場合ヨウ素添加塩が使われている。ヨウ素はパン、牛乳、魚介類、ヨウ素添加塩に含まれている。ヨウ素はのどにある甲状腺が甲状腺ホルモンを作るのに必要とされる。ヨウ素を十分に摂取しないと、甲状腺が腫れて甲状腺腫を引き起こす。母親の深刻なヨウ素欠乏は、クレチン病という幼児の精神発達遅滞を引き起こす可能性がある。ほとんどの人は必要とされる量のヨウ素を摂取していたが、女性の8%は足りていなかった。ただ2~3歳の男の子13%と女の子6%はかえって摂取上限を超えていたため、飲食物には注意が必要だ。

 葉酸は二分脊椎症などの先天性神経管欠損症を防ぐのに必要とされる。心配な点は、成人女性の約9%が緑の葉物野菜、果物、豆類などの食品から葉酸を十分に摂取できていないことだ。

 人は食品からナトリウム塩分を大量に摂取していた。男性の76%と女性の42%以上が食卓や調理中に塩を追加する前にすでに摂取量の上限を上回っていると考えられる。

 ふだんの食事摂取量のバランスが偏っていると、不健康な兆候や症状が出てくる。たとえば、全粒穀物など繊維が不足していると、便秘になりやすい。

「バランスのとれた食事」とは、ふだん食べている食品が体に必要なすべての栄養素を供給し、栄養不足のリスクを減らし、長期的に健康状態を良くするものであること。「Australian Guide to Healthy Eating」(オーストラリアの健康的な食生活ガイド)に記載されている基本食品群からさまざまな食品を選ぼう。

 食習慣を改善するために公認栄養士に相談すれば個別の支援を受けることができる。または包括的な食事評価ツール「Australian Eating Survey」を使用して栄養参照量と個別に比較してみるといい。

This article was originally published on The Conversation. Read the original article.
Translated by Conyac
eye-catch photo Foxys Forest Manufacture/shutterstock.com
The Conversation

Text by THE CONVERSATION