飯島氏訪朝 各紙が指摘する今後の課題とは

 飯島勲内閣官房参与が、14日から17日まで北朝鮮を訪問し、序列2位の金永南・最高人民会議常任委員長ら要人と会談した。飯島氏は21日、安倍首相と会談し、北朝鮮側との会談内容を報告した。
 会談内容の詳細は明かされていない。
 日本各紙(朝日・読売・産経)は、拉致問題解決に向けた進展や米韓との協調について、それぞれ論じている。

【拉致問題打開の糸口は?】
 各紙は総じて、日本人拉致問題の解決に向けた糸口がつかめるのかどうかに、注目している。飯島氏は会談にて、「拉致問題が解決しなければ、日本政府は動かない」と伝え、被害者の帰国、真相究明、実行犯の引き渡しを要求したとされる。産経新聞は、安倍首相が「自分の手で拉致問題を解決したい」という意志を示していることに期待を示し、成果につなげてほしいと求めた。
 読売新聞は、北朝鮮が「拉致問題は解決済み」と主張してきたことを挙げ、今後も出方を慎重に見極める必要があるという姿勢だ。

【米韓との協調は】
 朝日新聞は、今回の訪朝を知らされていなかった米韓が不快感を示していることを、懸念している。歴史認識発言で、米中韓との関係がぎくしゃくしているタイミングということもあり、日本は各国に丁寧に説明すべきと主張している。
 産経新聞も、拉致問題の解決には米韓との連携が不可欠だとして、特に米側への説明と理解を求めるべきと論じている。

 各紙はまた、制裁に苦しむ北朝鮮が、核放棄を求める米韓に先んじて、日本との対話に応じることで、日米韓の連携を分断する狙いがあるのでは、と警戒している。読売新聞は、極秘裏のはずの飯島氏の訪朝が、北朝鮮側に連日詳報されていたことを挙げ、「利用された面は否めない」としている。

 総じて、核開発・ミサイル問題に対する国際連携「圧力」をかけ続け、同時に、「対話」で拉致問題解決を図っていくべき、という主張だ。

Text by NewSphere 編集部