スタバに対抗できるか 米マクドナルドが「コスマックス」試験展開

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◆フードも好評「本当においしいと思い知った」
 利用者の反応は上々だ。ドリンク中心のコスマックスだが、フードも既存のマクドナルドとは一線を画しているという。米FOXビジネスは、クリーミー・アボカド・トマティージョ・サンドイッチを購入したある来店者の声を取り上げている。

 「一口食べただけで、マクドナルド(コスマックス)のサンドイッチは本当においしいと思い知らされました。卵は最高で、ベーコンは分厚い。ソースはスパイシーかつクリーミーで、ほかの味を邪魔していません。熱々のバンズが最高です」

 オープン時点では6種類のホット飲料などのみを提供しているが、今後コールド飲料にもメニューを拡大する。飲食分析プラットフォーム「スナックショット」の創設者であるアンドレア・ヘルナンデス氏はBBCに対し、スターバックスの対抗馬としてZ世代に浸透する可能性があると語った。

 「スターバックスはミレニアル世代の飲み物でしたが、Z世代はカウンターカルチャーが大好きです。何か別の選択肢がないかと探しているのです」

◆別チェーンとして展開する理由は……
 バーガーで成功したマクドナルドが、なぜビバレッジ(飲料)分野に進出するのか。狙いはビバレッジメニューが生み出す高い利益率だ。だが、豊富なカスタマイズを提供すると、店舗のオペレーションが複雑化する。CNNは、メニューを絞って効率化している既存のマクドナルド店舗とは相容れないため、別チェーンの立ち上げに至ったと分析している。

 BBCは、コーヒーなどホットメニュー中心の既存店舗「マックカフェ」に対し、コスマックスでは遊び心あるコールドドリンクで差別化するとみる。若い年齢層ほどコールドドリンクを注文する傾向にある。

 店舗数を限定したコスマックスは、現時点で試験的な展開にとどまる。移り気な若年層の心をつかめるだろうか。

Text by 青葉やまと