◆ビル・ゲイツやエド・シーランも「チプカシ」愛用
　F-91Wをはじめとするカシオのノスタルジックな腕時計は、著名人たちの心も掴んでいるようだ。ギア・パトロールは、ヒップスターたちがこうしたチープなデジタル・ウォッチ（いわゆる「チープ・カシオ（チプカシ）」）をあえてファッション・アイテムとして取り入れていると紹介している。

　英カルチャー誌のスペクテイターによると、マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツは、カシオの格安の腕時計を多く所有しているという。オスカー候補のクリステン・スチュワートや、テニスのセリーナ・ウィリアムズ、歌手のエド・シーランたちも公の場で、わずか3000円から高くても1万円ほどのカシオを着用している姿が目撃された。

　暗喩でも話題となった。サッカー元スペイン代表のジェラール・ピケは、コロンビアの歌手であるシャキーラと昨年破局した。シャキーラは、ピケが新たに23歳の恋人と交際していることを揶揄し、「あなたはロレックスからカシオに乗り換えた」と新曲の歌詞で恨み節だ。ピケはひょうひょうと、「この時計は一生ものになりそうだ」と応じたという。

◆かつてオバマ氏も愛用
　チープ・カシオは値段からは想像もできない高精度で時を刻み、F-91Wは平均月差±30秒、日差にして±1秒という精度を誇る。スペクテイター誌は、チープ・カシオのなかでもF-91Wは、かつてオバマ氏も愛用していたモデルだと指摘する。分刻みのスケジュールを、カシオが支えていたようだ。

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　F-91Wは日本でもまだ販売されており、実勢価格1500円前後で入手可能だ。通知の鳴り止まないスマートウォッチに疲れを感じたときのために、シンプルなF-91Wを1本、引き出しに忍ばせておくのも良いだろう。