遠隔操作の出前ロボット「COCO」がAIに頼らないワケ LAで導入進む

キャッチーでフレンドリーな名前を探していた創業者たちが、犬の名前リストから見つけたのが「ココ」|@COCO

◆安全性・環境対策が普及を加速する
 だが、街中を無人ロボが走ることで、トラブルに巻き込まれることはないのだろうか。「COCOは歩行速度で運転され、常に訓練されたパイロットが操縦しているため、危険はほとんどありません」とハンセンさん。訓練されていないライダーが歩道で速い速度で乗車することが多いeスクーター(電動キックボード)よりずっとトラブルが少ないと話す。

 「エンポリアム・タイ」や「陣屋ラーメン」といったロサンゼルスの人気飲食店で導入が進むCOCO。飲食店だけでなく、アイスクリーム屋、花屋、食料品店といった異業種でも導入が検討されているという。忙しい店舗では1日5件以上の配達をCOCOが担当することもあり、すでにアメリカ国内ではサービスの採用が急速に広まりつつあり、合わせて国際的な加盟店と市当局と協議に入っている地域もあるという。

ウエストLA の人気ラーメン店JINYAの店先で待機するCOCOの宅配ロボ|@COCO

 さらに過去3年弱の導入で、一部オートパイロットの導入を始めているという。温かい食事を温かいままテーブルに届けられる仕組みは、さらに加速するだろう。

 「ラストワンマイル(あと1.6キロ)」は、顧客の商品購入に大きな影響を与える、「配送」を示す用語だが、ネットショッピングに対抗する地元密着型のビジネスを支える要のサービスになりそうだ。

在外ジャーナリスト協会会員 寺町幸枝取材
※本記事は在外ジャーナリスト協会の協力により作成しています。

Text by 寺町 幸枝