アフリカにとってのツイッター2.0とは 期待のガーナ支社でも大量解雇
◆アフリカからの視点
ツイッター2.0の新たな経営方針は、アフリカやインドなどの新興国市場においてはより大きな影響をもたらしているようだ。詳細は明らかになっていないものの、BBCなどの報道によると、ツイッターの唯一のアフリカ拠点であるガーナ支社では、スタッフのほぼ全員が解雇されたようだ。ガーナ支社は、コロナの影響でリモートワーク体制が敷かれており、オフィスは11 月1日に再稼働したばかりであったが、その数日後にはスタッフが解雇され、オフィスが再び閉鎖となったとのことだ(ビジネスインサイダー)。ツイッターのガーナ支社は昨年4月に初のアフリカ拠点として設立された。2019年に当時のジャック・ドーシー最高経営責任者(CEO)が、ガーナなどアフリカ各地を訪問し、「アフリカが未来だ」といったような発言をしていた。支社の開設は期待を持って受け入れられていた。
アフリカ視点のテックニュースに特化したメディア、テックカバルは、退職手当などのパッケージが、アフリカ拠点のスタッフにも同様に与えられるのかどうかは不明であると指摘する。また、アフリカの拠点は結局、欧米のテックカンパニーにとって簡単に閉鎖できる存在でしかないのではないかという懸念の声も上げている。こうした指摘の背景には、マスクが率いる前からすでにツイッター社はアフリカ市場での運営に失敗していたという状況がある。アフリカ・オフィスにおいてはエンジニアや広告、PRといった職種の採用が中心で、誤報道の問題、政府とのやりとり、本来の意味における発言の自由の権利を守るといった課題への投資は不十分であったようだ。
ビッグテックの「アフリカ投資」は大きな話題やトレンドとして注目される一方、アフリカ大陸の多くの国ではインフラが限られており、経済が発展途上であるからこそ、撤退のインパクトも大きい。アルファベット社(グーグル)のインターネット提供プロジェクトとして期待されたルーンが、話題になったものの閉鎖となったことも記憶に新しい。ツイッター2.0のアフリカへの影響は、引き続き注目に値する。
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