イーロン・マスクを突き動かしているものとは? モチベーション、強さの源泉
◆失敗を恐れず、リスクを取る
巨大な構想を立ち上げ、リスクに立ち向かっていくのも氏のビジネスのスタイルだ。BBCは、「大胆に考えることを恐れない」こと、さらに「リスクを取る用意があること」がマスク氏の特徴だと指摘している。EV革命、火星への入植、真空トンネルによる高速輸送網に、AIと人間の脳との連携……。実現できるかわからないプロジェクトに真剣に打ち込む姿勢こそ、マスク氏の強さなのかもしれない。
同記事によると氏は2002年の時点で、ペイパルなどの成功により2億ドルの財を築いていた。だが、スペースXの打ち上げ失敗とテスラの生産問題により、一時は友人から借金をするほどの苦境に立たされる。それでも資金を投じ続け、現在の成功に至った。
金銭面だけでなく、苦境にあってなお仕事に没頭できる精神も氏の強さだ。アントレプレナー誌はテスラの黎明期、氏が机の下に寝泊まりしながら週75時間の労働をこなしていたと振り返る。驚異的な集中力を維持する「フロー状態」を体得し、気を散らすことなく事業に専念しているようだ。
◆周囲のノイズに惑わされない
リスクの高い事業を率いるとなれば、周囲から否定的な声が届くようになる。だが、このようなノイズに耳を貸さないタフさも起業家には求められるようだ。BBCは、スペースXやテスラの創業時に批判的な声が押し寄せた際、「しかし彼は悲観する者たちを無視し、とにかく前進したのだ」と評価する。
英インデペンデント紙は、マスク氏を突き動かしているモチベーションとして、明るい未来を見たいという願いがあると紹介している。宇宙開発のビジョンについて聞かれた氏は、「私は人類に明るい未来があることを確かめたいのです」「良い未来にしたければ、そう変えなくてはいけません。良くする行動を起こせば、そうなるのです」と語っている。
理想を描き、リスクを恐れずに行動する。その心構えがマスク氏の事業の成長を支えてきたようだ。
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