遺伝子組み換え「スーパートマト」がもうすぐ米スーパーに? USDAが認可

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 アメリカ農務省(USDA)は、イギリスで開発された遺伝子組み換えによる紫色のトマトを認可した。今後米食品医薬品局(FDA)の認可を受けられれば、来年にも店頭に並ぶ可能性もあるという。科学者たちは技術の普及に期待を寄せるが、遺伝子組み換え作物(GMO)を巡っては、その利用に賛否が分かれている。

◆抗酸化物質10倍! 脅威のトマト登場
 紫色のトマトは、英ノーフォーク州にある植物・微生物科学の研究機関、ジョン・イネス・センターの科学者、キャシー・マーティン氏が約20年前に発明。キンギョソウの花とトマトの遺伝子を掛け合わせて、皮だけでなく中身も紫の独特の見た目となっている。

 英タイムズ紙によれば、マーティン氏は糖尿病患者であり、食品の栄養価を高めることに興味を持っていたという。同氏が開発したトマトの紫色は、ブルーベリーに含まれる抗酸化物質、アントシアニンによるもので、認知機能を補助し炎症を抑える効果があるとされる。がんを患ったマウスにこのトマトを与えたところ、通常よりも30%長く生きたという。

 ジョン・イネス・センターによれば、このトマトには通常のトマトの10倍以上の抗酸化物質が含まれている。これまで以上の健康効果が期待できるとされ、スーパートマトとも呼ばれている。

Text by 山川 真智子