「当社のオレンジはヴィーガン向けではない」英スーパーが認めた理由
◆急増する英国のヴィーガン
近年、イギリスの菜食主義者の割合の高さは世界でもトップランクとなっている。実際、イプソス・モリとヴィーガン・ソサエティの調査によれば、イギリスのヴィーガンの数は過去8年で4倍以上になり、2019年の数は人口の1%を上回る約60万人と見られていた。また、ユーガブの調査では、2021年のヴィーガンの数は人口の3%に増加したと推定されている。(『フードマターズ』5/18)
さらに、ヴィーガンほど厳格ではなくても肉を食べない成人が、英国では14%を占める(『ファインダー』1/5)。食事の一部にだけヴィーガン食品を取り入れる人も急増している。市場調査会社アッピニオによれば、2021年に英国人の63.5%がヴィーガン食品を購入し、昼食か夕食のどちらかをヴィーガン料理に置き換える人は2019年から2020年の1年で46%も増加した。2022年イプソスの調査によれば、牛乳に代わる植物性ミルクを消費する人も、英国の成人の48%を占める。(フードマターズ)
こうした流れのなかで、英国では新たに開発されるヴィーガン食品や、ヴィーガン向けのメニューをそろえるレストランも急増しているという。
統計上では、消費者の2人に1人以上がヴィーガン食品を口にしたことがある英国。その声を無視することはできないであろう。今回テスコは蜜蝋やシェラックに代わる植物性の代替品を探すと明言したが、その対応の遅さを批判する声も相次いでいる。(テレグラフ、8/21)
【関連記事】
ヴィーガンチョコ、フランスに根付く? 高まる菜食志向、パリ老舗が開発
「ベジタリアン」「ヴィーガン」ではなく「プラントベース」が注目を集める理由
10年で4.6倍、英国の“お洒落な”ヴィーガンブームに専門家ら警鐘“セレブとは環境が違う”
- 1
- 2