エルメス路線へ、シャネルが強気の高価格化 22年ラグジュアリー業界トレンド

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◆ラグジュアリーブランド、2022年予測
 価格引き上げは、シャネルに限ったものではないようだ。フィナンシャル・タイムズによると、パンデミックの最中、ルイヴィトンやエルメスも価格引き上げを行った。価格引き上げのトレンドは今後も続くとの予測だ。販売数量ではなく、販売価格が売上拡大をけん引する見込みだ。記事によると、2021年のラグジュアリー製品のグローバル・レベルの売上は、パンデミック以前のレベルにまで回復したとのこと。2021年、その市場規模は2830億ユーロで、2022年には、3000〜3100億ユーロに到達するとの予測だ。パンデミックで海外旅行が減り、モノへの消費が増えた。また、いままで海外旅行の際にパリや香港でラグジュアリー・ブランドを購入していた中国からの観光客は、自国でブランド製品を購入しているとのことだ。

 2022年の業界予測は、価格上昇以外のところでは、流通とデジタルが鍵を握る。たとえば、サプライチェーンのコントロールの拡大。イタリアのブランド、エルメネジルド・ゼニア(Elmenegildo Zegna)は上場によって調達した資金で、サプライチェーン子会社を買収する予定だ。流通に関しては、中古市場が新品市場の成長スピードを上回るだろうとの予測。しかし、ラグジュアリー製品への需要が引き続き拡大するなか、業界の環境負荷はより高まることになりそうだ。デジタル分野に関しては、NFT市場が転換点を迎え、取引がさらに活発化するとの予想。さらには、ラグジュアリーブランドのイーコマースへの投資が、より拡大との見込みである。パンデミック中、ラグジュアリー製品のオンライン売上割合は12%から22%に拡大。2025年までにはこの数字は30%にまで拡大するとされている。ちなみに、シャネルは化粧品などを除いて、イーコマース展開をしておらず、競合他社に比べて、大きくパンデミックの打撃を受けた。2020年、売上は18%減少、営業利益は41%落ち込んだ。ラグジュアリーブランド業界全体における需要の拡大の流れを受け、強気の価格戦略で、シャネルは売上を回復させたいという意図があるようだ。

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Text by MAKI NAKATA