テスラの対抗馬に? リビアンを待つ試練、強力な援軍アマゾン・ベゾス氏

Ann-Sophie Fjello-Jensen / AP Images for Rivian Automotive, LLC

 米EV新興企業のリビアン・オートモーティブに、やがてテスラの対抗馬になるのではとの熱視線が注がれている。投資家の資金を奪い合う展開が予想されるが、構図は二社の単純なライバル関係に留まらない。背後に控えるのは、テスラのマスク氏との確執で知られる米アマゾンのジェフ・ベゾス氏だ。

◆史上6番目の巨額IPO
 リビアンは11月10日、ナスダックに新規上場している。120億ドルの超大型IPOとなっており、米ブルームバーグはアメリカで史上6番目の規模だと報じた。取引開始から2日後には株価が22%急騰し、同社の時価総額は1000億ドルを突破。910億ドルのゼネラル・モーターズを上回っている。

 EVに注力するリビアンは、EV市場の覇者として知られてきたテスラにとって強力なライバルとなること必至だ。米ウォール・ストリート・ジャーナル紙(以下「WSJ」)によると、テスラのイーロン・マスクCEOはSNS上で「無茶を言うつもりはないが、彼ら(リビアン)はIPOの『前に』評価額10億ドルごとに最低1台は生産を課されるべきなのでは?」と早くもリビアンに批判的な姿勢を示している。リビアンはピックアップトラックとSUV市場を主戦場として睨んでおり、初のEVピックアップを今年2月に発売したテスラの直接の競合となる。

Text by 青葉やまと