「すべての面で成熟」トヨタ ヤリス、欧州カー・オブ・ザ・イヤーに 21年ぶりの栄冠
◆審査員のコメントは? 退屈だった初代とはまるで別物に
選考委員会は2021年度の選考結果をウェブ上に掲載(3月1日)し、初代ヤリスと比較しながら新型の評価のポイントを語っている。初代はコンパクトなボディと大胆なスタイリング、そして1Lながら躍動感あるエンジンが評価されていた。対する新型ヤリスは「まったく別の物語」になっており、通常のBセグメントと比較してコンパクトなサイズ感はそのままに、ルックスや品質など「すべての面において成熟し、洗練された」と委員会はコメントしている。また、燃費の良いハイブリッド・システムも大きな特長として受け止められた。
このほか審査員のコメントとしては、「最高クラスの安全性能を備えた、当該セグメントにおける非常に良いオール・ラウンダーだ」「セグメントで最も優れたピュアEVのシステムに満足せず、トヨタはそれをさらに前進させた」「(以前の)トヨタ ヤリスは信頼性が高くて燃費が良く、しかしかなり退屈な小型車だった。新型ヤリスは楽しく運転できて乗り心地にも優れ、そして燃費の良さと信頼性をキープしている」などが寄せられている。
◆ピュアEVでない点が有利に
トヨタ ヤリスを受賞に導いた要因の一つに、ハイブリッド・システムがある。審査員の一人であるポール・ホレル氏は英トップ・ギア(3月1日)に寄稿し、安定性の向上したシャーシが田舎道のドライブに意外な喜びを与えるほか、3気筒エンジンを組み込んだハイブリッド・システムの奏でる個性的な音色が「以前のハイブリッドの音よりも興味をそそる」としている。デザインへの評価も良好で、「予想外にナイスなキャビンを備えた、スタイリッシュで小さなクルマだ」とのコメントだ。
最終選考に残ったモデルは、ヤリスも含め全車がピュアEVもしくはハイブリッドとなった。ヤリスについては、ガソリンを併用可能なハイブリッドであることが実用的だと判断され、高評価に繋がった模様だ。ニュース専門局のユーロ・ニュース(3月1日)は、選考委員長を務めるフランク・ヤンセン氏の見解として、ガソリン車からEVへの移行の最中である現在、ヤリスはバランスに優れたモデルだと評価している。「電動によるドライブをプラグを設置せずに行いたいと考える人々にとって、(ヤリスは)非常に良いクルマだと思う」と氏は述べている。
【関連記事】
「見事、過去最高のトヨタ車」GRヤリス、海外から高評価
「Bセグの有力候補」トヨタ新型ヤリス、英国レビュー 従来イメージ脱却にも注目
「最も完成されたトヨタの小型車」ヴィッツ改めヤリス、英専門誌が試乗レビュー
- 1
- 2