マツダ初EVのMX-30、英メディアも注目の「マツダらしさ」と新奇性 航続距離にも理解

Mazda Motor Corporation

 ガソリンエンジンで信頼を築いてきたマツダが、ついに同社初の量産型EVとなるMX-30を欧州でリリースした。MX-30は現在、日本国内ではハイブリッド仕様のみが販売されている。2021年に販売開始となるイギリスでは、RX-8を思わせるドアの開閉ギミックや、ホンダeにも通じるレトロ志向のスタイリングが話題を呼んでいる。

◆RX-8のギミックが復活
 マツダといえばロータリーエンジンを思い浮かべる人も多いことだろう。各社がエンジンの小型化に走る時代、同エンジンの開発を維持し、シンプルかつ高出力のパワートレインを提供して支持を得てきた。RX-8の生産終了とともにロータリーエンジンは姿を消したが、マツダ独自の哲学を感じさせる存在であったことに変わりはない。英デイリー・ミラー紙(電子版)は、今回取り上げるMX-30についてもマツダ流の信念を感じさせるモデルだと語っている。MX-30の場合、その最大の特徴は「フリースタイルドア」にある。

 これはフロントドアとリアドアが観音開きとなるもので、広い間口を確保し乗り降りを容易にする構造だ。現在日本で発売中のモデルと共通の仕様となっており、古くは2000年代中盤に登場したRX-8にも採用されていた。ユニークなフリースタイルドアだけでなく、従来クーペとロードスターが冠してきた「MX」の名がSUVに与えられている点、そしてコンセプト・モデルを除くと同社初のEVである点など、特徴盛り沢山のモデルとなっている。英BBCで放送中の自動車番組『トップ・ギア』は、これまでの慣習を打ち破るSUVだと紹介し、新奇性のあるモデルだと強調している。

Text by 青葉やまと