ファストフードも次々と採用 植物由来の「肉ではない肉」がメインストリームへ

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◆課題は味と健康 消費者は環境も重視
 コロナがきっかけで伸びた植物肉の需要だが、マッキンタイア氏は、今後の普及の課題はリピーターをいかに増やすかにあると言う。それには味、食感や香りなどが本物に近くなくてはならないとする。さらにペプシコ時代にダイエット・ソーダがトレンドとなり、やがてそれがより添加物の少ないアイスコーヒーや茶といった商品に取って代わられたのを見た経験から、健康的であることも重要だとしている。顧客の選択と忠誠心に関しては、味と健康に勝るものはないと結論づけている。

 モチーフ・フードワークスが行った調査では、食品購入時の関心として、味や健康以外にも、サステナビリティ(持続可能性)をあげた消費者が多かった。40%が温室効果ガスの排出への影響をあげたということだ。同氏は、環境への緊急の懸念によって、植物肉の進化がより早まるのではないかと見ている。

◆来年はチャンス、販路拡大はマクドナルドから
 植物肉人気を受けて、多くのファストフードチェーンも商品開発に乗り出している。植物肉の開発・製造で先を行くのは、インポッシブルフーズとビヨンドミートの2社だ。インポッシブルフーズは、すでにバーガーキングと植物肉を利用した「インポッシブルバーガー」で提携している。ビヨンドミートも、サブウェイやKFCに供給しており、ピザハットとのコラボでは、ビヨンド・イタリアン・ソーセージ、グレート・ビヨンド・ピザといったメニューが誕生している。植物肉のソーセージは、本物の肉と区別がつかないほど、濃厚でジューシーということだ(NBCニュース)。

 ファストフード最大手のマクドナルドも、ついに植物肉を使ったハンバーガー、マックプラントを2021年から市場ごとに試験的に投入することを発表した。マクドナルドはカナダでビヨンドミートの植物肉を使った商品をテストしていたため、マックプラントもビヨンドミートとの提携と考えられていた。しかしマクドナルド側がサプライヤーを明言しなかったことから、ビヨンドミートの株価が急落するという事態が起こっている。

 植物肉の普及が次の段階に進むには、ファストフードチェーンへの販路拡大が欠かせないとされる。ビヨンドミートの今年の売上高は4億7780万ドル(約498億円)と推定されるが、スイスの金融大手UBSのアナリストは、米マクドナルドとの提携によって、たとえもう1社がサプライヤーとして参加しても、年間売上高が最大3億ドル(約313憶円)増加すると計算している(ヤフー・マネー)。提携が実現すれば、来年はビヨンドミートと植物肉にとって飛躍の年となりそうだ。

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Text by 山川 真智子

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