日本に老舗多いのは「婿養子システム」に秘密? 海外も注目の独特の習慣

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 日本には、親子数世代に渡って受け継がれる大小の企業が息づいている。創業200年を超える日本企業の数は2000社以上に上り、世界でも有数の規模だ。時代の荒波を乗り越えて安定したビジネスを展開できている秘訣は、婿養子という独特な習慣にあるのではないかと海外紙は見ている。

♦︎家族経営でも大企業でも
 結婚によって優秀な跡取りを確保することは、家族経営の日本企業にとって伝統的な手法となってきた。イギリスの経済紙であるフィナンシャル・タイムズ(2月25日)は「日本の企業経営者たちは何百年にも渡り、才能ある人材を採用する手段として娘婿を受け入れてきた(この慣わしはムコヨウシと呼ばれる)。『息子は選べないが、婿は選べる』という格言のいわれである」と紹介している。感情に左右されず、ビジネスのスキルという視点で跡取りを冷静に選択できることが婿養子制度のメリットだという。また、いちど家族として迎え入れた後は、一家の絆により家業の基盤を強固に維持することが可能だ。

 同紙は、群馬の夫婦の例を紹介している。もともと雪印乳業の研修生だった男性は、スーパーで豆腐の販売をしていた女性と出会った。二人が結婚した際に男性は婿養子となり、妻の家業である豆腐店を引き継いだという。こうした例は珍しいことではない。有名な例としては自動車製造のスズキが、婿養子の形で跡取りを採用している。1958年には元銀行員だった鈴木修氏が2代目社長の鈴木俊三氏の娘婿となり、のちに社長に就任した。証券業界の革命児として知られる松井証券の松井道夫社長も、養子縁組により経営一族に加わっている。

Text by 青葉やまと

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