政治家のツイートに警告表示 脅迫、煽り、ヘイトなど ツイッター新ポリシー

AP Photo / J. David Ake

 ツイッターを使って他人を脅したり、暴言を吐いたりしている大統領や世界のリーダー、政界の有名人は、自身のツイートに警告表示が付けられて注意を受けるかもしれない。
 
 ツイッター社が先月27日に最新ポリシーを発表したのは、トランプ大統領が暴力につながりかねない方法で憎悪に満ちたメッセージを送り、敵を攻撃する自由を同社が与えているとして、市民団体などが批判している渦中だった。
 
 今後、公益に関係する内容で、同社の規則に反するとみなされたツイートは、その旨の警告がメッセージに覆い被されることになるだろう。
 
 隠されたメッセージを読むには、警告をタップしなくてはならないが、ツイッターが一般の人からの投稿で対応しているようにツイートが削除されることはない。
 
 同社によると、このポリシーが適用されるのは、10万人以上のフォロワーを持つすべての政府関係者、候補者、同等の有名人などだ。警告表示を付ける以外に、こうしたツイートを「格上げ」したり、もしくは煽ったりするようなアルゴリズムは使用しない。

「正しい方向に向けた第一歩である」と、南部法律センターのインテリジェンスプロジェクトのリサーチアナリストで、極右過激派によるネット上のプロパガンダを専門としているケーガン・ハンケス氏は話している。だが、同氏によると、ツイッターの根幹にある主張は「ヘイトスピーチが公共の利益になる」というものだ。「私の見るところ、ヘイトスピーチは決して公共の利益にはならない」と話している。

 トランプ大統領による過去のツイートが今回の規則に違反するかどうかについてツイッター社は回答を控えた。また、大統領によるツイート活動が規則制定につながったかどうかも明言しなかった。

 同社がこのような姿勢を見せたことで、ソーシャルメディアに対するトランプ派の怒りを助長する可能性がある。証拠は示さないものの、大統領は常々、ソーシャルメディアサイトは自分や保守派に偏見を持っていると不満を述べている。

                                                                                                                 

 ツイッターの規則では、人物や集団に暴力を加えると脅すこと、「特定の人を標的にした嫌がらせ」に関与すること、誰かに実害が及ぶのを望むなど、他人を煽る行為を禁じている。また、人種、民族、性別などの属性に基づく、特定の集団に対するヘイトスピーチも禁止している。

 同社はこれまで、著名な指導者に対し、こうした規則の多くを免除していた。政治家から発信される物議をかもすツイートを公にすることで責任の所在が明らかになり、議論が喚起されるようになると主張していた。

 だが長期にわたって、人を罵倒し、脅迫的な言動だとされたトランプ大統領のツイートを削除すべきだとする非難の声もあった。

 イランがアメリカを攻撃したら、イランの一部地域を「抹消する」と脅したトランプ大統領の先週のツイートに対し、一部の活動家が不満を表明していた。大統領は、顔の部分がCNNのロゴになっている男性を殴る動画をツイートしたほか、一見したところ偽の反イスラム動画にリツイートしていた。

「脆弱なアメリカのコミュニティに関する毒々しいコメントをすることで、大統領はツイッターやほかのいたる所での政治論争を変えた」とハンケス氏は話している。

 他の政治家についても同様に、警告表示の対象となるだろう。

 フランスの検察当局は2018年、極右政治家のマリー・ルペン氏がイスラム国の残酷な動画をツイートしたとして事前起訴した。ツイッターでは、「極度に凄惨な」素材の投稿を禁じている。

 3月には、ブラジルのボルソナロ大統領が、カーニバル中に男性が別の男性の顔に放尿している動画を投稿して怒りを買った。

 侮辱や嘲笑などは、グレーな領域に入る。トランプ大統領がツイートしているように、誰かを「人間のくず」「犬」「とんでもない負け犬」などと呼ぶのは、それ自体では違反にはならないかもしれない。だが、何度も特定の人を侮辱すると、禁止されている嫌がらせ行為になる可能性はある。

 ソーシャルメディアの専門家でシラキュース大学教授のジェニファー・グリギエル氏によると、トランプ大統領のツイート活動が引き金となって規則が制定されたのは「明らか」としている。

 しかし、この対応では不十分だという。戦争を始め、株式市場を左右し、世界的なイベントにも影響を与えられるほど大統領には並外れた権力があるため、政治リーダーからのツイートが出される前にツイッターは内容を確認し、必要があれば投稿を阻止すべきだとしている。新規則は、過去のツイートには適用されない。

 政府関係者やその他有名人からのツイートについても、「内容がひどすぎる場合には削除の対象になる」とツイッター社はコメントしている。個人に対し暴力を加えたり、直接脅したりすることなどが、これに該当する。

 同社によると、警告表示の掲載を決定するのは、信頼と安全、法務、社会秩序の担当者のほか、特定のツイートが発信される地域の社員などになる。

By BARBARA ORTUTAY AP Technology Writer
Translated by Conyac

Text by AP