信頼性の高い車ブランド:日本ブランドが8年連続で1位に

◆2019年の主な調査結果のまとめ
 J.D. Power社のグローバル・オートモーティブ担当のバイス・プレジデントであるDave Sargent氏によると、「自動車の信頼性はより向上しているが、全てがバラ色というわけではない。自動車への信頼性はこれまで以上に高まってはいるが、自動車メーカーは音声認識、トランスミッション、バッテリーの故障などの問題に取り組んでいる。完璧な信頼性は、顧客がブランドに愛着を持ち続けるかどうかを決定する要因になりうるため、自動車メーカーは現在車両の問題に直面している顧客をサポートし、又、将来の車両モデルでこれらの問題点に対処する必要がある。」と述べている。

本調査の主な結果は、以下の通りであった。

・自動車の信頼性は向上しているが去年より遅いペースであった。2019年の業界平均は136 PP100であり、昨年から6 PP100の向上。昨年と比較して、2018年の14 PP100よりも低い改善率である。

・今年初めて、信頼性で大衆マスマーケットブランドが、ラグジュアリーブランドよりも優れていた。マスマーケットブランドの平均は135 PP100で、ラグジュアリーブランドの平均は141 PP100であった。

・ドイツ社ブランドは顕著に向上している。アウディ、BMW、メルセデスベンツとフォルクスワーゲンのすべてのメーカーは2019年の結果で信頼性を伸ばしており、2番目のポルシェとともに、すべてのドイツ社ブランドは業界平均よりも優れていた。これは過去30年間の調査結果において初めてであった。

・最も信頼できるモデルとして、ポルシェ911は2019年の調査でモデル別で最高ランクにランクインした。最も信頼できるモデルは今年から授与されている。

◆VDSのスコアは顧客のブランドロイヤリティを推進する
 J.D. Power社の分析は、車両の残存価値は長期的な品質によって大きく影響される可能性があると見ているようだ。J.D. Power社のVehicle Analysis and Analytics担当のバイス・プレジデント、Jonathan Banks氏は、「車のディラーは、信頼性のスコアの良い車両を店舗に仕入れておくことで、将来の新車販売を促進し、ブランド認知を高め、来場者を増やすことができるであろう。」と述べている。

 日本車特にトヨタ自動車は、レクサスが過去8年連続トップにランクインしていることをみてもその品質がアメリカで高く評価されていることが伺える。又、別の調査では、アメリカで長く乗り続けられる車のトップ15を全て日本車が独占し、そのうち10台をトヨタ車が占めた。

 自動車メーカーにとって高い信頼性の向上は、最終的には新車販売を支え、又、忠実な顧客基盤を維持し促進するものになるだろう。

Text by Takako Tsujimoto