アーティスト、草野絵美による個展『Ornament Survival』が、5月16日より東京・神楽坂のアートギャラリー √K Contemporary にて開催される。

本展では、2026年3月に開催された Art Basel Hong Kong のデジタルアートセクション「ZERO10」で発表され、大きな反響を呼んだ最新シリーズ《Ornament Survival》を日本で初公開。さらに新作を加え、代表作《Office Ladies》とともに展示されることで、草野絵美の表現の変遷と現在地を立体的に体感できる機会となる。

Photo: Mayo Kobayashi, Courtesy of √K Contemporary
草野絵美は、次世代の国際的なデジタルアートシーンにおける先駆者の一人として、独自の位置を築いてきたアーティスト。AIを用いた表現が広く普及する以前から、独自に学習させたAIを用い、自身の身体性や記憶を起点に作品制作を続けてきた。これまでにも、M+ や 金沢21世紀美術館をはじめ、国内外で作品を発表。NFT黎明期からデジタル表現の可能性を拡張し続け、近年ではフィジカルとバーチャルの境界を横断する実践へとその創作領域を広げている。アートバーゼル香港 2026 のデジタルアートセクター、ZERO10では初めての立体作品を発表するなど、その豊かな創造性はとどまるところを知らない。

今回発表される《Ornament Survival》は、情報資本主義社会における承認欲求や欲望、そしてデータ化される感情をテーマにしたシリーズだ。SNSを通して可視化され続ける感情。消費され、記号化され、やがてアルゴリズムへと回収されていく自己像。そうした現代的な不安や欲望を、1980〜90年代の日本カルチャーへの憧憬と重ね合わせながら、“サバイブ=創造”という行為へと変換していく。

幼少期の変身願望、フィクションへの没入、そして現実と虚構の曖昧な境界。本シリーズに登場する女性像たちは、単なるノスタルジーではなく、この時代を生き延びるためのロールモデルとして立ち上がる。
情報と感情、身体とテクノロジー、現実と幻想。その境界が溶け合う時代の中で、草野絵美は「いまを生きる感覚」そのものを、鮮やかに可視化している。
世界のデジタルアートシーンを横断しながら進化を続ける草野絵美の新たなステージを、ぜひ会場で体感してほしい。

会期 2026年5月16日(土)- 6月20日(土)
会場 √K Contemporary(ルート K コンテンポラリー)
住所 東京都新宿区南町6
開廊時間 13:00–19:00
休廊日 日・月
主催 √K Contemporary
協力 Tsubasa Koshide、松井製作所、岸本智也、丹原健翔、木村絵理子
印刷 FLATLABO
※最新情報はギャラリーウェブサイトおよび SNS にてご確認ください。
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Events
本展では、草野の創作背景や思想を掘り下げ、現在大きな注目を集める AIとアートといったテーマを取り上げたトークイベントを開催予定。
6月13日(土)16時からは木村絵理子氏(キュレーター・弘前レンガ倉庫美術館館長)と草野絵美による対談イベントが開催される。
トークイベント|木村絵理子×草野絵美
日時:6月13日(土)16:00〜
参加無料・予約制
参加申込▶ info@root-k.jp

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Artist | 草野絵美 / Emi Kusano (1990 -)
マルチディシプリナリー・アーティストであり、世界の生成 AI アートシーンを牽引する第一人者の一人。10代で原宿のストリートファッションを記録する写真家としてキャリアを始動し、その初期作品はヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)に展示された。ファッションと写真におけるこれらの原体験は、マスメディアがいかに個人の、そして集団のアイデンティティを形成するかという、彼女の視座の礎となっている。
以来、彼女の実践は先端技術を統合する形で進化を遂げてきた。そこでは AIを単なるツールとしてではなく、共創的なパートナーとして位置づけている。このプロセスを通じ、草野はデジタル時代におけるノスタルジア、ポップカルチャー、そして集合的記憶を批評的に探求している。
その作品は、M+(香港)、サーチ・ギャラリー(ロンドン)、グラン・パレ・イマーシブ(パリ)、フランシスコ・カロリヌム美術館(リンツ)、金沢21世紀美術館など、世界20カ国以上の主要機関で展示されている。また、フリーズ・ソウルや Untitled Art Miami といった主要な国際アートフェアにも参加。特筆すべきは、写真的な感性と AI生成を融合させた代表作シリーズ『Office Ladies』が「Paris Photo」で特集され、世界的な注目を集めたことである。
2023 年の Gucci とクリスティーズによるオークションや、2024年のクリスティーズと UNHCR によるチャリティ・オークションへの出品がその象徴である。視覚芸術の枠を超え、音楽ユニット「Satellite Young」の主宰・リードシンガーとしても活動。80 年代 J-POP を現代的なSFのレンズを通して再解釈し、SXSW などの国際的なイベントに出演している。
2025 年には、世界経済フォーラム(ダボス会議)の「ヤング・グローバル・リーダー」に選出された。直近では、サイバーパンク・アニメの金字塔『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』とのコラボレーションによるニューヨークでの初個展『Ego in the Shell』を開催し、高い批評的評価を獲得した。アート・バーゼル香港 2026 のデジタルアートセクション、Zero10 に日本人として唯一出展し大きな反響を呼んだ。
IG : @emiksn
X : @emikusano
