フォード、貿易戦争で中国からのSUV輸入を断念 それでも米で作らない理由

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◆もはや迷惑でしかない 旧政権関係者からも批判
 元オバマ政権高官、ジョン・D・ポルカリ氏と元ジョージ・W・ブッシュ政権の高官、エミル・フランケル氏は、デトロイト・フリー・プレス紙に寄稿し、フォードの計画の邪魔をする、トランプ政権を批判する。両氏は、車種のリニューアル、研究開発には莫大な費用がかかり、自動車産業にとっては、明確で信頼できる未来に向けての規制、貿易、エネルギー政策が必要だと指摘する。それなのに、グローバルなサプライチェーンの現実を知らない政権による、無謀な関税や、一貫性のない二国間交渉が、自動車産業に打撃を与えていると断じる。

 両氏はさらに、サウスカロライナ州の工場が世界で最も多くBMWを生産し、全米の自動車会社が、その生産力を収益性の高い商品に傾けている時代に、古い考え方でデザインされた政策を取ることは、バックミラー越しに運転しているようなものだと述べる。そしてまさにトランプ政権の経済成長におけるカオス理論が、自動車業界にとっての「今そこにある危機」だと主張している。

Text by 山川 真智子