ミレニアル世代が「インパクト投資」を牽引するか 前世代と異なるビジネスへの考え方

Photo by Annie Spratt on Unsplash

「インパクト投資」という言葉を聞いたことがあるだろうか。投資は通常利益目的でするものだが、インパクト投資は教育や福祉などの社会的な課題の解決を図るとともに、経済的な利益を追求する投資行動のことを指す(GSG国内諮問委員会)。

 これは寄付を通じて行う従来の国際援助やチャリティー活動とも異なる。投資収益も得つつ社会貢献をするという新しい形の投資手法である。

 このインパクト投資が近年世界的に注目を集めている。インパクト投資を推進する非営利団体、Global Impact Investment Network(GIIN)の年次調査レポートによると、インパクト投資の世界規模は2017年で約1137億ドル(約12兆2000億円)であった。

                                                                                                                 

 これからも投資機関の拡大、投資案件の増加などによって投資資産規模の拡大の期待されるインパクト投資。今後の一層の成長は社会問題に高い関心を持つミレニアル世代が牽引すると言われている。

◆ミレニアル世代と社会的な投資
 ミレニアル世代がインパクト投資の成長の牽引役になりえる理由の一つは、異なる投資への関心が挙げられる。

 モルガンスタンレーの持続可能な投資に関する研究所、Morgan Stanley Institute for Sustainable Investingが2017年に公表したレポートによると、ミレニアル世代の多くは自分たちの投資決定が社会的インパクト創出に貢献できると考えている。

 2015年に初めて米国で行われ、2017年が2回目となるこの調査。今回は米国の800人の個人投資家と200人のミレニアル世代(18才から35才)の個人投資家を対象にオンラインのアンケートによって行われた。

 米国のミレニアム世代の投資家の86%はインパクト投資に興味があり、これは個人投資家全体の75%を大きく上回っている。さらにミレニアル世代の投資家の38%はインパクト投資に「とても興味がある」と答えており、これは2015年調査の28%から顕著に伸びている。

 ミレニアル世代の投資家は、社会・環境問題に取り組んでいる企業に投資する可能性が他の投資家と比べて2倍も高い。さらにミレニアル世代の84%は自分による投資が貧困問題解決の手助けになると答えている。

 これらの考え方は主として利益を追求するために投資をする世代と全く異なっている。

Text by 中川沙和

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