アルカイダは衰退するのか? 米、指導者ザワヒリ容疑者を殺害

アイマン・ザワヒリ(左)とオサマ・ビンラディン(1998年)|Mazhar Ali Khan / AP Photo

 2001年9月の米同時多発テロ事件を首謀した国際テロ組織アルカイダの現指導者アイマン・ザワヒリ容疑者が7月31日、アフガニスタンの首都カブール周辺で米軍によるドローン攻撃によって殺害された。米軍はドローンによる攻撃計画を7月になってバイデン大統領に報告し、大統領は25日に作戦決行を承認した。今日、アルカイダ系組織はイエメンやシリア、アルジェリア、マリ、ソマリアなどで活動しているが、その支持組織や支持者らは東南アジアや南アジアにも存在している。今後のアルカイダはどうなるのか。

◆以前からカリスマ性のないザワヒリ
 まず、指導者だったザワヒリが殺害されたが、一定の衝撃はあるだろうが、これによってアルカイダが衰退することはない。現在アフガニスタンを実効支配するタリバンとアルカイダは長年強い絆を維持しており、タリバンがアルカイダとの関係を米国の要求通り断ち切る可能性はほぼゼロに近い。アフガニスタンではいまなお数百人レベルでアルカイダ戦闘員たちが活動しており、今後遠くない未来に新たな後継者が発表されるだろう。

 ザワヒリ容疑者は2011年5月にオサマ・ビンラディンが殺害されてから今日までトップに君臨していたが、ビンラディンほどカリスマ性があったわけではない。また高齢ということもあり以前から影響力は強くなく、後継者問題が叫ばれてきた。

Text by 本田英寿