航空界の活路?「行先のないフライト」が人気 豪では10分で完売
パンデミックにより深刻な影響を受けている航空業界に、フライト・トゥ・ノーウェア(どこにも行かないフライト)を提供する動きが広まっている。これは言ってみればジェット機を利用した遊覧飛行。瀕死の航空業界のカンフル剤となりえるか。アジア・オセアニアの航空会社のフライト内容を紹介する。
◆環礁、断崖など絶景を楽しむ台湾のフライト
どこへも行かない飛行体験は、この夏アジアを中心に始まった。台湾のスターラックス航空は8月7日、飛行時間3時間20分の「行先のない」フライトを実行した。フォーカス・タイワン(8/7)によると、このチャーター便は「乗客が台湾の景色を楽しめるように、通常よりも低い高度で飛び」、台北の高層ビルなどを空から観賞したのち、東海岸に沿って南下、「台湾東部と南部の青水断崖や(台湾南方の島)蘭嶼、恒春半島の景観を提供し(中略)、(環礁の美しい)東沙群島の東の海上を飛行したのち、フィリピンを経由して(台北)桃園空港に戻る」というものだ。188席のチケットは30秒で売り切れたという。
同じく台湾のエバー航空も8月8日、ハローキティ特別機を用いた特別フライトを実施した。フォーカス・タイワン(8/8)によると、台北発着2時間45分のコースは「台湾の北東部を抜けて沖縄諸島でUターンし、台湾の東海岸に沿って南部へ向かい」戻ってくるというものだ。機内食にはミシュランの星付きシェフデザインによるランチが供され、チケット代はエコノミークラスで約1万9000円、ビジネスクラスで約2万2600円だったという。