航空界の活路?「行先のないフライト」が人気 豪では10分で完売

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◆ブルネイの「食事&飛行」ツアー
 また、ボルネオ島の小国ブルネイ・ダルサラームのロイヤル・ブルネイ航空は8月16日、第一回「ダイン&フライ」を催した。ボルネオ・ブリテン紙(8/17)によると、空の上から同国のランドマークやボルネオ島の主要な場所を眺めるために搭乗したのは99人。ブルネイ国際空港発着で、飛行時間は85分。「ダイン&フライ」の名通り、機上ではランチが供され、誕生日や記念日に重なった搭乗者にはケーキもプレゼントされたという。飛行終わりには、30kmに及ぶ東南アジア最長のスルタン・ハジ・オマール・アリ・サイフディエン橋の上を旋回するというサービスつきだ。この日のチケットは48時間で売り切れ、ウェイティング・リストに名を連ねる希望者まで出たという。反響を見て、同社では今後も同様のフライトを提供するつもりだ。

◆成田発着ではハワイ体験演出
 日本の航空会社も同じ波に乗っている。全日空は8月22日、「Flying Honu」のテスト飛行を利用した遊覧飛行を実施。ハワイ気分を味わえる演出つき成田発着の約90分のフライトは、エコノミークラス通路側14000円からファーストクラス5万円までという値段設定だったが、応募数が販売数に対して約150倍を超える人気で、9月20日にも第二弾が催されたところだ。

 そのほか、ストレーツ・タイムズ紙(9/13)によれば、国内便を一切もたないため、新型コロナの打撃がとくに大きいシンガポール航空も、行先のないフライトを10月から始めたいと考えている。まだ詳細は明らかになっていないが、同紙によれば空港のサービスやホテルとのコラボも検討されているようだ。

Text by 冠ゆき