中国とアメリカは台湾総統選の結果をどう見るのか 与党・頼清徳氏が勝利

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 選挙イヤー2024年の先頭を切り、13日に台湾でポスト蔡英文を選ぶ総統選挙が行われ、与党・民進党の副総統、頼清徳氏が勝利した。同じ政党が3期連続で政権を握るのは台湾政治史上初めてのことである。頼氏は蔡氏と同じく欧米諸国との関係を重視し、台湾統一を目標に掲げる中国の習政権には屈しない姿勢に徹することから、今後4年間も中台間では緊張が続くことは間違いない。

◆中国にとっての台湾総統選挙
 では、今回の選挙結果を中国はどう見たのか。中国は民進党を独立勢力と位置づけ、蔡英文政権の対中姿勢に強く反発していることから、望まない候補者が勝利したと今回の選挙結果に不満を覚えている。しかも、中国は今回の選挙戦で台湾市民の国民党支持が広がるようサイバー攻撃や偽情報の流布などさまざまな形で関与してきたことから、中国からするとすべてが失敗に終わったということになる。

 中国側も頼清徳政権の対中姿勢はすでに織り込み済みで、今後は台湾に対して経済や貿易面で継続的に圧力をかけ、台湾周辺での軍事演習など軍事的にも挑発行為を続け、政権を揺さぶっていくだろう。

Text by 本田英寿