アフリカに無料ロシア語講座 ロシアが進めるソフトパワー戦略

Vyacheslav Prokofyev, TASS / Kremlin.ru

 ロシア政府が、アフリカの学生に向けた無料のロシア語講座の普及を進めている。ロシアのソフトパワー戦略とは。

◆プーチン大統領の計画
 昨年7月、ロシアのサンクトペテルブルクで開催されたロシア・アフリカ首脳会議にて、プーチン大統領はアフリカ各国にロシア語学校を開校する計画を示した。「ロシア語プロジェクトの実施と、わが国の高い教育水準の導入が、さらなる互恵的かつ対等な協力のための最良の基盤になる」と大統領は自信を示した。2022年に業界ベテランがローンチしたデジタルニュースメディアのセマフォーによれば、ロシアは無料のロシア語講座や文化プログラムを展開し、アフリカの若者の獲得を進めてきた。講座はオンラインもしくはアフリカ各地にある教育センターで展開されている。

 たとえば、ケニアでは昨年3月から無料講座が開講されており、昨年1年間で900名の生徒が受講登録した。1クラスの人数は30名ほどで、講座は6ヶ月間にわたるという。また、同様の講座はガーナ、コートジボワール、ナイジェリア、エジプト、ジンバブエ、ウガンダ、エチオピア、タンザニア、チュニジア、コンゴ民主共和国の各地でも展開されて、多くの学生たちが受講登録をした。今後、南アフリカも含め、アフリカ28ヶ国で、教育センターが新たに開設される予定だという。

Text by MAKI NAKATA